何かあったときでも対応してもらえるようにとNICUもある総合病院を選んだのに、まさか転院するなんて…

転院先の病院はすごく時代の感じる病院でした。(元いたところもそんなに変わらんかアセアセ)


夫婦で行ってくださいとのことだったのですが、このご時世なので、待合室にオットは入れませんでした。

私一人で行って初診ならではの書類を書きながら待ち、まずは問診。

『前の病院ではどのように聞いてますか?』

「えっと、心臓が普通ではなくて左が大きく右が極端に小さいと聞いています。具体的な病名は聞いていません。」

『わかりました。じゃとりあえず見て見ましょう。』

と言われ、エコーへ。


2人の先生に50分かけてじっくりエコーをしてもらいました。

が、部屋は薄暗く、3畳ほどの狭さ、そしてエコー中体を動かせないという窮屈感からパニックが起きそうになり大変でしたガーンアセアセ

最初はエコーの画面を見ていたのですが、どんどん汗をかいてきて不安が出てきて…

マスクをつけてたのもあったと思います。

途中からはヤバいと思い目をつぶって外にいるイメージを想像して紛らわせました。

…しかしあの部屋トラウマになりそうゲロー


そしてオットを呼んでの先生との話。

先生合計で3人いました。

(いや、多いよ…絶対普通じゃないやんショボーン)



『赤ちゃんですが今300gで順調に成長しています。が、やはり心臓に異常があります。心疾患は非常に複雑なのでどこまで正しいかわかりませんが、現時点では単心室症、おそらく肺動脈だと思うのですが狭窄しています、そして心房も1つの可能性があります。』

「単心室…」

と言って私は一気にむせび泣いてしまいました。

先生の1人がティッシュを差し出してくれました。


この「単心室」という病名がどれほど重いものか、私はわかっていました。




前の病院で小児科の循環器の専門の先生が発した「シングル…」のことばがひっかかっていました。





single ventricle
単心室症




本来心臓は右と左にそれぞれ心房と心室という4つの部屋を持つんですが、そのうち心室が右左で分かれておらず1つしかない先天性心疾患です。


産まれてくる赤ちゃんの100人に1人に先天性心疾患があり、そのうち0.5~2%にこの単心室症が見られるようです。

つまり1万分の1の確率でした。



壁の一部が欠けたりしている「心室中隔欠損」なら、予後はそれほど悪くありません。手術をすればほかの子と同じように運動もできるようになる。

それならいいなと思っていたのですが、見事に打ち砕かれました。



単心室症…


産まれてから少なくとも3回の手術が必要になる。

それまでは酸素吸入器が必要になったり日常生活に制限が出てくる。

まさかそんな稀な疾患に自分の子供がかかるとは思っていませんでした。





『おそらく色々調べられたんでしょうね。単心室ということばに反応されましたが、先天性心疾患の中でも比較的重い疾患です。出産後すぐの手術が必要になることもありますし、その後も通院、手術は必要になります。でも、それをサポートするのがこの病院ですし、手術を乗り越えて元気に暮らしている方もたくさんいます。処置をすれば助かる病気でもあります。』

「最後の手術まで乗り越えられたら日常生活や運動が制限なく行えるんでしょうか?手術にたどりつけない可能性もあるんでしょうか?」

『それは…私たちの専門ではないので小児科の循環器で聞いてもらった方がいいと思います。明日診察されますか?』

「はい、お願いします…この病気は今後成長する中で治ったりしないんでしょうか?」

『今の時点での診断なので、今後変わってくる可能性はあります。ただ、単心室が治る可能性はないと思います。逆に心臓だけじゃなくそれ以外の臓器にほかの疾患が出てくることはあるかもしれません…』

「ほかの臓器まで…。あの…脾臓があるかないかはわかりますか?」

私が調べていたほかの病気のことも気になったので聞いてみました。

『無脾症のことをおっしゃってるんだと思いますが、脾臓は…見つけられませんでした。まだ週数も経っていないので見えないだけかもしれません。ただ、胃や他の臓器に今のところ異常がないのでその病気ではないとは思っています。それも明日循環器の先生に診てもらって聞いた方がいいと思います。』






診察室を出て2人で泣きました。オットもよく我慢していたと思います。


私たちの横にもカップルがいて、女の人が泣いていました…


同じような状況なんかな。。


専門の病院だけあって、事情を抱えた妊婦が多いんでしょう…




「とりあえず、明日の先生の話を聞こう。それから考えよ。」


考えるというのは、赤ちゃんの今後をどうするかということです。



ただ…





単心室症という診断をはっきり言われて、私はこの時にもう何かを覚悟していたのかもしれません。