―長崎平和記念体育館―





沖縄VS神奈川
26ー41




観客
「出て来たぞ!!」


「突き放せ~神奈川~!!」


「まだ追い付けるぞ。沖縄!」



沖縄も神奈川も地元からの応援団は少ないが、彼等が『魅せる』プレイをしている為、観客は試合の虜になっていた。




第3Qを戦う選手以外は、ベンチに座り始める。



比嘉・五味
「何だと!!!?」




流れを掴む為に後半徹底マークを行おうとしていた、藤真と流川は神奈川のベンチに座っていた。




五味
「エースは温存って訳か?」


比嘉
「Gも変わってやがる。舐められたもんだぜ。」

苛立ちを隠せない2人。



2人に茂木が話かける。
「光輝、亮介、あの2人が居ないのはチャンスだ!追い付けるぞ!!」


比嘉
「納得できねぇけど…」

五味
「チャンスには間違いねぇ!」





第3Q開始



3分を過ぎた頃には点差は20まで拡がっていた。

気持ちでカバーしていたが、前半で比嘉等の体力は確実に削られていた。

宮城と清田のスピードに足が付いていけない。

カバーし合っても神が高確率で長距離砲を決める。

またゴール下では、ファールアウトを恐れているダニエルとロナウドを尻目に、技巧派センター高砂、生粋のパワーセンター赤木が攻め立てる。




第3Q終了


沖縄VS神奈川
43ー70 


沖縄に27点差をつけた。

高頭
「よし。上出来だ!!第4Qはスタメンに戻すぞ。きっちり抑えて来い。」




比嘉
「さあ、最後の10分だ。あきらめずに戦おう。」


茂木
「琉球魂を見せてやろう!」




第4Q、沖縄が息を吹き返した様なプレイをする。
しかし神奈川も追撃を許さない。

勝敗は明白だが、白熱した第4Qは今日1番の盛り上がりを見せた。




試合終了

沖縄VS神奈川
66ー89




終わってみれば23点差を付けての神奈川の圧勝だった。
沖縄の台風に飛ばされそうになっても、一度も沖縄に流れを掴ませない試合運びをした藤真が、会場から注目を浴びていた試合でもあった。




中村
「試合中は緊張しましたが終わって見れば圧勝でしたね。」


相田弥生
「そうね。もう少し接戦を予想してたんやけど…さすがは高頭監督の策略と、藤真君の支配力って所かしらね。」


中村
「相田さん、いつも言ってますもんね?ゲームメイクするPGが試合を左右するって。」


相田弥生
「ええ。………ほら!他の試合を見に行くわよ。」






続く。
―長崎平和記念体育館―





第2Q、残り1分32秒。


沖縄VS神奈川
23ー36





バチン

バス!!

ピィー
審判
「バスケットカウント・ワンスロー」




高頭
「よーし!いいぞ高砂!!」
気分良くセンスを扇ぐ高頭。



花形
「ナイスプレイ!落ち付いて決めよう!」



高砂
「ああ、さんきゅ!!」



審判からボールを受け取り、2回ドリブルをつきシュートを放つ。



ザシュ



フリースローを確実に決め点差は更に拡がった。


沖縄VS神奈川
23ー39




藤真を起点とし、清田、流川の速攻。花形と高砂の技巧派なダブルセンターのプレイにより徐々に沖縄との差を拡げた。
ロナウドは今ので3つのファール。またダニエルも2つのファールを犯していた。いや、高砂と花形にファールを『犯された』と言っても過言では無い。



清田
(藤真サンはやっぱり、牧サンとは全く違うタイプのPGだ。牧サンよりもパスで周りを動かすタイプだな。後は長距離のシュートも上手い。)



花形
(高砂一馬…常に冷静なプレイヤーだな。パワーも持ち合わせているセンターだ。冬の選抜、要注意だな。)



公式試合中に、同じ神奈川代表の選手を思い思い感じる選手達。
言葉には出来ない『信頼・尊敬』に近い感情が生まれ始めていた。





茂木
「まさか光輝があそこまで翻弄されて、亮介まで相手のエースを抑えられないなんて…ダニエル達もファールアウトが怖いな…。」
冷静に自分達の置かれている状況と、神奈川代表の強さを思い知らされた沖縄。



その後、神奈川は流川が本日3本目となるダンクを。沖縄は第2Q終了間際にキャプテン比嘉が気合で3Pシュートを決めた。



沖縄VS神奈川
26ー41


神奈川15点のリードで前半終了。





―神奈川代表控え室―



彦一
「よっしゃ、よっしゃ!ナイスな展開や。こりゃいけるで!!」



高頭
「彦一君の言う通り、確かに良い雰囲気だ。だが油断するなよ!後半は少しメンバーを変えるぞ!
PG、宮城
F、清田
F、神
C、高砂
C、赤木
このメンバーでいくぞ。第3Qで勝負を付けてやれ!!」


『おう!!!』






―沖縄代表控え室―



バコン! ドカン!

上手く流れが来ない沖縄の選手達は荒れていた。


比嘉
「皆、少し落ち着け!冷静に作戦を立てよう。」


五味
「俺のマークしてる流川って奴、ただ者じゃねー!」


茂木
「流川の最初のダンクで神奈川が勢い付いた感じだったな。」


五味
「後半は藤真、流川を徹底マークだ。」


比嘉
「ディフェンスから流れを引き寄せよう!ダニエル、ロナウドはゴール下を頼むぞ!!」


ロナウド・ダニエル
「OK!マカセロ!!」


比嘉
「第3Qで追い付くぞ!!」


「おう!!!」




追い付きたい沖縄。
突き放したい神奈川。

思いが交錯する第3Qが始まる。




続く。
―湘北高校体育館―






ダムダム


「合宿シュー---ト!!」

ガンッ



「ぬぁぁ----!?」




彩子
「こらー!桜木花道~!もっと集中しなさ~い!!」




入院しての背中のリハビリを医師も驚く異例の早さで終えた桜木は、数週間前から練習に参加していた。
とは言っても安西に激しい練習は禁止されているので軽目の練習だが。





桜木
「彩子サン、何でこの天才桜木が国体のメンバーに選ばれんのですか!?」



彩子
「安西先生は、あなたの背中とこれからを考えて、国体の練習にさえ参加させなかったのよ!」



桜木
「天才桜木の全盛期は今なんですよ!!」




晴子
「桜木君!駄目よ。神奈川の優勝も大事だけど、何よりも湘北が全国に行く事が大切でしょう?」



ピクッ!



耳が巨大化する桜木。
「は、晴子サン!?この天才桜木に全てお任せ下さい!必ずや晴子サンを日本一のマネージャーにしてみせます!わーっはっは!!」



彩子
「調子に乗るな!」



バチン


彩子のハリセンが炸裂する。



高宮
「だっはっは!相変わらずだな。花道!!」



大楠
「皆が居なくて寂しいんだろ?」



花道
「ウルセー!寂しくなんてねぇ!!こら、ヤス、カク、シオ!練習するぞ!」



安田・角田・潮崎
(赤木サンから任されたのは俺達なのに…。)



野間
「じゃあ俺等はそろそろ行くぜ。」



花道
「ぬっ、もう帰るのか?」


水戸
「ちげーよ!神奈川選抜を応援しに長崎まで小旅行だ。」



花道
「なーにー!?ゴリ達の応援だと?ずるいぞ、お前達!俺も行くから、ちょっと待ってろ!!」



彩子
「あなたは練習よ!」

バチン!

再びハリセンが炸裂する。



安西
「ほっほっほ。皆さん国体が気になって練習に身が入らないみたいですね。」



安田・角田・潮崎
「い、いや、そんな事は…」
(桜木以外)
口を揃えて言う。



安西
「皆さん神奈川代表が心配でしょう?長崎まで応援しに行きますか?」



「!!?」



桜木
「分かってるじゃねーか!オヤジ!」


タプタプタプタプ


安西の顎をイジる桜木。



彩子
「桜木花道!やめなさい!!先生…本当に行くんですか!?」



安西
「全国の試合を観るのも大切な練習の1つですよ。再び全国に行けるのなら、行って損は無いでしょう。」


晴子
「もう一度全国へ…」


ゴクリ


一同、息を飲む。



桜木
「そうとなったら出発だー!」



安西
「出発は明日の朝です。」

キラーン






続く。