―長崎平和記念体育館―






沖縄VS神奈川
4ー5



『いつもらしさ』を取り戻した沖縄。



神奈川のオフェンス。トップの藤真から右45℃の流川へパスが通る。




観客
「俺あいつ知ってるぞ!!山王の沢北と互角にやり合った奴だ!!」


「山王を破った湘北の流川だ!!」



彦一
「さすが流川君や!知名度も実力もトップクラスや!!」




観客の興奮とは対照的に、冷静に相手ゴールを目指している流川。
しかし、クールな顔とは裏腹に興奮に近い感情を流川は持ち合わせていた。





キュッ キュッ





小刻みにフェイントを繰り返す流川。
マーカーの五味も腰を落とし、流川の動きに集中している。





「五味は昨日の滋賀戦、エースを完璧に抑えていたな。」



「エースを抑える守備専門的な印象でしたね。」



相田弥生
「この2人の対決も見物やわ。流川君が神奈川に勢いを付けられるか…」






キュッ キュッ ダム!






流川の高速ドライブ。五味の左から切れ込む。



「抜いたか!?」



「いや、まだだ!!」



五味も必死に喰らい付く。





「!!ああ…」





ローポスト付近で高砂をマークしていたロナウドと五味に挟まれた形になった。



赤木
「五味がわざとロナウドがいる左側を抜かさせたんだ!」





ダンッ!!




流川構わず跳ぶ。
ロナウドと五味も追いかける様に追撃に跳ぶ。



相田弥生
「強引過ぎるわ!」






ドガーン!!






五味、更にはロナウドの上からワンハンドダンクを決めた流川。



流川
「あいつと当たるまで、全部ぶっつぶす。」
小声で囁く流川。






―観客席―



沢北
「はくしょん!!」


深津
「風邪ピョン!?」


沢北
「いや、また女の子が俺の噂してるんすよ!」
自信満々の顔の沢北。


河田兄
「さーわーきーたー!!」


グリグリグリグリ



真後ろの席に座っていた河田兄のヘッドロックを喰らう沢北。


沢北
「イテテ…馬鹿力なんだから。」
(でも、流川の野郎また上手くなったみたいだな。)




夏のIH以降、本来なら留学に行くはずだった沢北だが、湘北に負けた事で留学するのを延期した沢北。


ヘッドロックの痛みと、流川が以前にも増して強敵になっている嬉しさで、泣きながら笑っている沢北。




深津
「…気持ち悪いピョン…。」




続く。
―長崎平和記念体育館―






第1Q、両校最初のオフェンスは成功。続く沖縄の攻撃。



ダムダム




ドリブルキープをする比嘉。
「さっきは油断したぜ。」


「………。」
藤真は比嘉の目を見て、無言でディフェンスをする。



比嘉
「ちっ、シカトかよ!?」
藤真の態度に、カッとなった比嘉はドリブルで藤真を抜き去ろうとするが




バチ-ン!




藤真
「甘いね。」
フッと笑いボールを奪い、追いかけて来る比嘉を嘲笑う様に、ワンマン速攻を決める。




パサッ




沖縄VS神奈川
2ー5


相田弥生
「比嘉君は少し冷静になった方がいいわね。昨日の滋賀戦を見た限り、視野は広いはずなのに…彼らしく無い動きだわ。」




ゴール下でボールを持ち俯いている比嘉に、五味と茂木が小走りで駆け寄る。



茂木
「どうした、光輝?お前らしくねーぞ!?」



五味
「いつも通りパス回しながらダニエルとロナウドで決めて行こう!速攻でもいいし。」



茂木
「優勝候補だか知らねーけど、昨日の滋賀戦みたいにやれば勝てるだろう。俺達なら!!」




比嘉
「亮介、直人…さんきゅ。沖縄の琉球バスケを見せてやろう!」
茂木と五味のフォローにより、キャプテン比嘉に笑顔が戻った。




藤真
「ほう…さすがだな。立て直して来たか。」



沖縄のオフェンス。
比嘉の選択。茂木と五味とでパス回しをしながらロナウドとダニエルのスペースを伺う。





藤真
「清田、行ったぞ!」
ガッ




清田
「!!?」



比嘉のスクリーンに清田がかかった。


瞬時に茂木が清田を抜き去る。が



キュキュッ



藤真が行く手を阻む。
が、茂木はスクリーンを開いた比嘉にバウンドパス。



バシ!



比嘉が神奈川ゴールに突っ込む。近くに居た流川が五味のマークを捨て、比嘉を追う。




ビッ!!



流川が五味から完璧に離れた事を横目で確認した比嘉のノールックパスは誰も近くに居ないスペースへ移動したフリーの五味へ。



ダム
シュッ
パサッ!!



ワンドリブルからミドルレンジのシュートを確実に決めた五味。
比嘉と笑顔のハイタッチ。



沖縄VS神奈川
4ー5



沖縄はキャプテン比嘉が一瞬崩しかけるも、『いつも通り』に戻った。




清田
「藤真さん…すみません。」
清田は声かけしてもらったのに、スクリーンプレーにかかってしまった自分のミスが失点に繋がったと反省し、藤真に謝った。



藤真
「あんま気にするな。取られたら取り返すぞ!絶えず動くんだ!!沖縄の奴らを深い海に沈めるぞ。流川、お前もだぞ。」



清田
「はい。取り返します!」

流川
「………うーす。」
試合が開始後、まだボールに触れてない流川は苛ついていた。




続く。
―長崎平和記念体育館―




沖縄VS神奈川
スターティングメンバー・ラインナップ
マッチアップ


  PG 比嘉 光輝(175)
× PG 藤真 健司(178)

  SG 茂木 直人(180)
× F 清田 信長(178)

  F 五味 亮介(182)
× F 流川 楓(187)

  C ロナウド(201)
× C 高砂 一馬(191)

  C ダニエル(205)
× C 花形 透(197)




ジャンプボールを制した沖縄の攻撃。
神奈川のディフェンスはハーフマンツー。

沖縄、高い位置でボールを回す。

ビュン

45℃に居た茂木から、ローポストのダニエルにパスが通る。
花形もしっかりマークしている。

花形
「決めさせん!」


ダムダム


ダニエル、花形を背負いながら真っ向勝負のパワードリブル。


ダニエル
「Ohー!!」
叫びながらシュートを放つ。


花形は深追いをせず、飛ばず両手を上げるだけにし、素早くスクリーンアウトをする。


バス!


難無くジャンプシュートを決めるダニエル。



沖縄VS神奈川
2-0
先取点は沖縄。



観客
「うおー!最初から決めてきた!」

「沖縄は、昨日の勝利で勢いに乗ってる感じだな!」


相田弥生
「さすがにインサイドは強いわね。高砂君は10cm、花形君は8cmのミスマッチ…。」


中村
「今みたいなシーンになったら全部決められちゃいそうですね。」



藤真
「ナイススクリーンアウト!花形!!」

花形
「やはりゴール下は強いな。」


高頭
「だが、今のプレーは正解だ。ゴール下まで入れられたらブロックに飛んでファールを取られたりするより、スクリーンアウトをしてリバウンドを確実なものにした方が無難な時もある。」




続く神奈川の攻撃。
沖縄もハーフマンツーで守る。


藤真
「じっくり一本行こう!」
3Pライン外でドリブルをしながら人差し指を立てる藤真。



シュッ!



「!!?」



パサッ!!



敵だけではなく、味方の意表をついた藤真の3Pシュート。


清田
「今、じっくりって…。」

比嘉
「油断した…。」



観客
「いきなり3P打ってきた!」

「神奈川のガードは牧だけじゃないって事か!?」


宮城
「俺様を忘れんじゃねーぞ!」
観客に向かって叫ぶ宮城。



藤真の3Pにより、すぐにリードを取り返した神奈川。

藤真の支配が始まる。




続く。