高齢者施設での弾き語り

戦争の体験したおばあちゃんも多い

あの戦争で何があったのか
歴史を振り返りながら話をすることがある。

この日
長崎の原爆「長崎の鐘」を唄ったあと

東京大空襲の話をした。

私はちょっと踏み込んで
話を聞きたいと 
その時思った

「空襲を経験をされた方はいらっしゃいますか?」

こんなに悲しいこと
聞いていいのかなと思いながら………。


すると
ひとりの車椅子に乘ったおばあちゃん
その手があがった。

予期しないことだった。

私が促すと
静かに話し切り出した

「不幸の自慢になってしまうから
 今まで空襲の話をしてこなかった」
 と前置きがあって
 
東京大空襲で
親も家族を失くしたこと

私は9歳だった

気も動転し、食べるものもなく……
どうやって
新潟の親の実家へ
たどり着いたのか?
もうわからない 

たぶん混乱の中でも
助けてくれた人が
たくさん居たのだろうと

穏やかで
優しい顔立ちの
おばあちゃんだった

この施設で
毎月歌うようになって
もう1年になった

ようやく
お互いに顔もわかり
リラックスして
会話のキャッチボールが
出来る

こんな時間を
持ちたいとずっと思っていた

その願いが かなった瞬間だった

不幸な事も
何十年まの時を隔てて
話すことが出来る

この時間は
こんな活動をしている
私にとって至極のひとときだった