彼との出会いは14年前。

飲み仲間のひとりだった。

たまたま帰るタイミングが同じで2人で帰った。

その時初めてちゃんと話したよね。


酔った彼はなかなか私を帰してくれなくて…

めんどくさいなぁ。。。本気で思ったな。

後日のごめんなさいの電話からすぐに2人で

ご飯にいったね。


東京で10年生活してた彼は

地元に帰って来てまだ数ヶ月。

私達の町はバスは1時間に一本くらいの

田舎町なのに車もなく

もちろんペーパードライバー。

移動は自転車。

仕事は無職の実家暮らし。

けど。。。私には

そんなのは少しも気にならなかった。


それまでの恋愛はお互いに長く続いたこともなく

きっとまたすぐ別れるのかな。と思ってた

けど。。。

月日が経つほどに強いもので引かれ合うようになった。


2人して食べることお酒が好きで。

2人で遅くまでいろんなことを語り合った。

彼が『楽しいなぁ…♪』と言う言葉

私の料理を『美味しい😊』と言う。

最高で❤︎より嬉しくて幸せに感じた。



14年の時が流れて…

私は自営業の賃貸の店舗が

店舗兼住居の一戸建てをローンで購入。

彼も車を購入して会社員にもなっていた。



幼い私達がやっとお互いの未来を一緒に

生きていく覚悟をした。

これから全ていい方に向かっていける。

そう心から感じた。

そんな…矢先に病気が発覚した。



子供の頃から肝臓に良性腫瘍があった彼。

定期的な検査も欠かさず行っていた。

良性腫瘍は悪性にならない。

その先生の言葉を信じていた。

おそろしいほどに過信していた。



忘れもしない。

2021年12日9日癌告知。

それからはいろんなことがあった。

穏やかな彼が些細なことででイライラする。

私も言葉を選んで、気を使う日々。


数ヶ月経った頃には

普通に過ごすこともできるようになったね。



良かったり悪かったり…。

楽しかったり、苦しかったり。



文章ては表せないほどの

いろんなことがあった。



癌が発覚してすぐに移植を決断してたら

今の状況は違ったのだろうか。

私はアナタを助けたかった。

生きててほしかった。


もう手遅れだったけど。

移植の話をすぐ受け入れてくれて。

すぐ主治医に2人で話に行ったね。


心から嬉しかった。

アナタも初めて見せる顔で私を見つめて。

心の底から同じ気持ちを感じたね。

あの時の言葉は一生忘れない。

数日だけだったけど。。。

2人で希望を感じれて…少しだけ明るくなったね。 




もう大切なものはひとつ。しかない。

ただ生きててほしかった。


アナタも生き続けたい思い一心で

できる限りの治療をしたね。

こんなに心が強い人だったなんて

初めて知ったよ。


どんなに姿が変わっていっても。

私にはカッコよかった。


私は最高で最強!

最愛のパートナーと出会えたことを、心の底から幸せに思う。

今彼を亡くして、絶望感と喪失感でいっぱいでも

出会わなかった人生よりも。

何百万倍も……素晴らしい人生だった。

心からそう思う。