近所のパン屋さんでアイスコーヒーを飲みました。
おばちゃんが2人喋っていたけれど、
2人しかいないとは思えない騒々しさに笑ってしまった。
昨日はなんだか寂しくて一日引きこもっていたけれど、やっぱり人のいるところに来てしまう私。
まだ2日しか経ってないのに、なんだろう、ものすごく前のことのように感じる。
トリプルアンコールでは、脚本・演出のウォーリー木下さんと、音楽監督のトクマルシューゴさん、そして原作者のいしい しんじさんと息子くんがステージに。
そして、劇中曲「すべてはてこところのおかげ」を皆で演奏して幕を閉じました。
今は、穏やかな気持ちと卒業式の後のような寂しさと、前に進まねば…という焦りがあります。
昨年、トランペットの三浦千明ちゃんに誘っていただいたことから始まりました。
11月には記者会見に参加。
2月から音楽稽古がスタート
そして、3月。本稽古開始。
初日の顔合わせ・本読みの緊張感ったら無かった!
クーツェ期間中で一番緊張した瞬間。
普段は占いなんか見ないのに、
毎日占いを見ては、今日も無事に乗り越えられますように!と心の中で唱えて家を出ていました。
笑いの絶えない真剣な稽古場。
演出のウォーリーさんは、強いることをせずに私たちに余白を与えてくれます。
それによって面白いことが偶然生まれたりします。
それぞれがアイディアを出して、作り上げていく現場には、役者や音楽家の境目も無くなっていきました。
稽古場には、音の出る日用品を持ち込んでいました。
例えば浜辺のシーンを作るとき、
ウォーリーさん「はいっ、じゃ今から5分で浜辺で聴こえそうな音を探して~」
そして私たちは稽古場に溢れている日用品や道具などを漁り、見つけた音を皆に発表する。
舞台上で、劇中曲と転換時のBGM併せて23曲生演奏しました。
その他に、浜辺のシーンでは波、虫の声、魚、たき火、花火、電車などを、
病院のシーンではAEDや心臓音、不安な気持ちを、
動物園や爬虫類館のシーンでは音や鳴声もすべて(松尾貴史さんが人間音づくり機みたいでした笑)
などなど、すべて生の音。
舞台上で音を出したものは楽器を含めて100種類以上あったとか!
今まで私が続けて来れたものは唯一音楽ですが、その音楽にもこうしてまだまだまだまだ知らない可能性が海のように広がっていました。
そして、初めて携わる舞台の現場は新しいものだらけ。
稽古着を着たり、ストレッチをしたり、
毎日のように皆さんからの差し入れがあったり、
「ワンエイト」のカウント、
場当たりとか小屋入りとかヤオヤとか、
新しいワードの数々。
登場人物の心情、情景、背景、時間軸などをたくさん想像しました。
今まで使ってこなかった脳の一部がぐるんと動いた気がしました。
公演はそれはそれは毎回違っていました。
ライブのよう。
お客さんも皆様々な音の鳴るものを持ってきてくれて、舞台上から客席を見るのが毎回楽しみでした。
いしいしんじさんから風が起こり、
ウォーリーさんとトクマルさんによって気流が起こって、私たちの体を通って劇場にお客さんに吹き抜けていく。
その風は今もどこかで吹き続け動き続けていると思います。
舞台の港町で息づくヘンテコな登場人物たちのように、キャストも皆さんそれぞれ、色んな人たち。
みんな受け入れられたし、そのお陰で親戚のような気分になりました。
自分を出すことはこわいことではないんだな、と、今になって気付きました。
もっと楽に生きて良いんだと思いました。
人も心もみんな、良し悪しではなく、つながることが素敵なことなんだな。
以上です。
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配管工、酒場の主人、花屋、教頭先生、音楽教師、肉屋、灯台守、巡査など、職業は様々。ちなみに私は皆を叩きまくる宿屋のおかみでした。
面白い世界を見ることができて本当に良かった。
自分に足りない部分を埋めたいな。
なのでまた進みます。