出産直後、無理かと思われたカンガルーケアをさせてくれた。
見た目は心臓が悪いかどうかなんてわからない。
でも生まれてからがどんどん苦しくなっていく病気だと何度も言われてきた。
出産準備の段階で、分娩室にはかなりの人数がそろっていた。
産科のスタッフと小児科のスタッフ。
ドラマ「コウノドリ」そのものだった。これだけの人が私たちの子どもに関わってくれるんだとありがたい気持ちになった。
カンガルーケアをした後、
小児科でNICUの先生が「大切にNICUでお預かりさせていただいて、これから検査をやっていきます。また報告させていただきます」と言われしばしのお別れになった。
妻の産後の処置を待つため先に病室で待機する。
一時した後妻が車いすで病室にやってきた。
ゆっくり休むように言っても、産後ハイなのかよくしゃべる。
家に残してきている上の子二人のことも気になるが先生からの話があるということで待っていると、しばらくしてから2人の先生がやってきた。
循環器の先生。一人は最初に心臓の異常を発見してくれた先生でもう一人は初めて見る先生だった。
先生は
「今の状態は安定しています。そして、エコーでお母さんのお腹の上から見ていた分と実際に診察した分だとあまり違いはなかったようです。やっぱり心臓の左側が小さい。ただ以前説明したように、二心室でいけるか単心室にしないといけないのかまだ判断が付かない難しいところです。大動脈に関しても途切れてはいないものの縮窄は間違いないです。今後どのような手術になるのかは心臓血管外科の先生と話し合っていきます」
みたいなことを言われていたと思う。
出産でほっとしたこと、説明を受けたことで疲れがどっときた。
妻にとりあえず休むように伝え病院を出た。
自宅へ帰り、玄関を開けた。
長男と長女が満面の笑みで出迎えてくれ、両方のじいじとばぁばが来てくれていることを報告してくれた。
妻が出産で入院しているということもなんとなくは理解しているようだった。
ほっとした。
父や義父からビールを勧められるもやっぱりそんな気分にはなれなかった。
普通の状態ではないんだということが心の中に引っ掛かっていたから。
でも祖父母と遊び嬉しそうな我が子たちを見て、自分たちだけではなく手助けしてくれる人たちがいるんだということにも
ほっとした。
祖父母の来訪で頭のネジが緩みまくりの長男とここぞとばかりにジュースを飲む長女。