子ども病院に到着した。
笑顔もできないはずの妻がひきつった笑顔で出迎えてくれた。
すぐに先生が呼ばれた。
今日担当してくれた産科はまた別の男性の先生。果たして何人の先生がいるんだろう、なんてことを考えていたら、
エコーをお腹にあてながら、
「わかりずらいですけど、これが心臓です」とエコーを拡大したものを見せてくれる。
先生の言っていることは分かるが、画像ではどう違うのかわからない。
そうこうしていると別の男性医師が現れた。
循環器で胎児のスクリーニングにも携わっている先生だった。
その先生が診察が終わった後説明してくれた。
※私は医療従事者では無いので説明に嘘があるかもしれません。また時間が経っていますので正確さも少ないかもしれませんので、このままを信じようとされず、必ず医師に確認を取ってください。
「左心低形成症の一つです。左心が右心に比べ小さいです。そして心室の壁も空いている状態です。またこの時期卵円孔という穴が開いていて、その穴があるからお母さんからの栄養や酸素が体を循環することができるんです。それが今ほぼふさがった状態。なので左側がしっかりと成長していかないのかも。そしてその部屋からつながっている大動脈が影響を受けたのかそれかもともとなのかわからないけど縮窄しています」と。
え~と、生物の授業でならったのは、左側が全身に血液を送り出すポンプだったっけ?
そう頭で考えていると、先生が
「この状態だと生まれてから全身に血液が回りません。生まれてからすぐの手術になると思います。ただ左心室が小さいままだとポンプの役目を果たせないので、あえて心臓を単心室にしてしまうこともあります。そうなると経過にもよりますがすぐに手術もできないので2~3ヶ月は入院してもらいます」
病気も病気だが、3ヶ月程度も入院!?
そこに動揺した。
3歳の長男、1歳の長女をどうする?
長男の幼稚園は?送り迎えは?
いやいや生活が成り立たないだろう?
そんなことを頭の中はめぐっていた。
循環器の先生は
「この病気を持たれている子はここに集まってきています。福岡に限らず九州、北海道からくる子もいる。親御さんは本当に苦労しています。おじいちゃんおばあちゃんの協力も必要だし仕事の調整も必要でしょう。でもここにおられる親御さん、皆さん本当に頑張っておられますよ。これから経過を見ていきましょう。赤ちゃんの体が大きくならないとまだまだ分からないことも多いので」
と笑顔で言っていた。
すごい病気なのに、みんな笑顔だった。
この人たちに支えてもらえれば何とかなるのかなとさえ感じた。