こんばんは

舞台「体育教師たちの憂鬱」

ついに本日小屋入りしました。

初日を明日に控え、どこか不思議な気持ちでいます。

会場はレソラNTT夢天神ホール。

ちょうど半年前に舞台を観に行った場所です。

その時出演していたいも。この人はこうやって生きていくんだなと思った場所。



あれからあまりにも濃い半年を過ごし、すこし前にその小さくも大きな背中を見送りました。




私といもは不思議な関係で、近すぎず遠すぎないところにずっといた気がします。

2人で過ごす時間はほとんどなかったけど、ご飯も行くしおうちにも行く。なんならうちのばあちゃんとだってご飯食べたこともある。帰り道が同じ方向だったこともあっていろんな話をしたし、弱音や愚痴もお互いに意外と言い合っていたような気がします。お互いに多分子供だなって思う部分と大人だなって思う部分があって、気は合うけどでも似てるってわけでもなくて、大切な同期の1人としてお互いがいた数年間でした。


それでもそんな中で世の中が大きく変わったとき。どうにかその中で新しいことに挑戦していこうというグループの動きの中で、私にとってとても特別な存在になりました。


リモート演劇「不本意アンロック」

主演 堺萌香

脚本 豊永阿紀


これは今でももちろん、そしてきっとこれからも忘れることのない閉塞的で、孤独で、苦しみ、でも確かな未来を感じた時間でした。あの時、書きながらもどこかに彼女の存在があり、それを誰に伝えるわけでもなかったけれど、結局決まった主演。いま振り返ってみても、あの頃のどこか自分の色を探そうともがいていた彼女にしかできなかったと思うのです。




そこから選抜として同じ時間を過ごしたり、同期も少なくなるなかでわたしたちをつなぐものは少しずつ変わっていったけれど、チームが変わったあの頃、関係性はがらりと変わりました。その時は正直、こんなに強い絆が生まれるとも、最後の3人になるとも思ってなかったな。


公演初日の後、何人かでご飯に行きました。みんなが頼もしいとか、ついていくとか、いつでも支えるよと言ってくれる中、「一人で背負ってる姿が同期としては苦しかった」って言ってくれて、ここには分かってくれている人がいるんだなと思ったのをすごく覚えています。同期は割とみんなそうだけど、いもは特にいろんな経験をした分、いろんな立場や状況に立って人の気持ちに寄り添うことを自然とする人だから、そんな人がすぐそばにいる心強さに随分と支えられました。


もしかしたら誰がそうなっていても特別な時間を過ごしていたのかもしれないけど、チームとしていうと最後にそばにいる同期がいもでよかった。いももそう思ってくれてたらいいな、と思うくらいには甘えられる相手だから。




でもね、そんなこと聞かなくたって、最後に選んでくれた曲がすべての答えでした。歌うときよりも、その曲を選んだと聞いた時の方が涙が込み上げてきました。そんな選択肢はまったく思い浮かべていなくて、どうするのかなと思っていたらもらった答え。


人は人に出会い、些細なことで誰かの人生を変えることがある。そんなことをテーマに書いた物語が、こんな形になるなんて、こんなにあの時間には意味があったのだと思える答えがあるでしょうか。

苦しかったけど、大変だったけど、それでもとくべつたいせつなのだと思っていたのは私だけじゃなかったんだ。本当に幸せでした。




人の心を繊細に感じられるからこそ表現できるものがあって、届けられるものがあって、それが心底楽しみだなと思っています。だけどもっと元を辿ると本人の心がたくさんのアンテナを持っているということだから、できるだけ傷つかないでいられるように。傷ついたときには、またいつでも話をしあえるように。そして時折無神経な言葉で傷つけてしまったときには、傷ついた!!!!と言ってね。そんな関係で迎えている今を、私はとても気に入っています。


疲れると口が止まらなくなるところも、名前を出す時はいつも阿紀って漢字で書いてくれるところも、寝ててもほっといてくれるところも、ちょっと我慢してもやっぱりむり!ってタクシーの広告を秒速で消すところも、気づいてほしいけど誰にも気づかれないようなところに気づいてくれることも、いい感じの雰囲気になりそうなときは恥ずかしいから余計な一言言っちゃうところも、大好きです。これからも、その優しさと愛くるしさと笑顔と、内側に焚べている炎を絶やされることなく、あなたらしくいられますように。




不思議なもので、この2週間でいろんな忘れ物やと預かり物を3回届けました。舞台も観に来てくれるそうですし、その後は二人とも東京へ行くのできっと助け合うことでしょう。会いすぎ。


だけど、もう違う肩書きを持っているんだね。

まだ信じられない気持ちもあるけど、

どこかでちゃんと分かりきってる自分もいるし、

なにより楽しみにしている自分がいます。

あなたのこれからがとても楽しみ。




未来でまた会おうね。


いってらっしゃい。