限りなく広大な可能性「学問」という言葉の出典

☆​機微を観る~帝王学の書~6月7~11日の5日分の『易経一日一言』(致知出版社)​
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6/10 岐阜駅構内で一般参加OKの易経講座❣(予約不要)


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【限りなく広大な可能性】


大地は雨がどれだけ降ろうが嵐がこようが、
美しいもの、みにくいものを選ばず、いやがらず、
一切合切を受け容れます。
 
器量と度量では器量が陽で度量が陰です。
器量はその地位に見合った才覚をいい、
度量は、自分のことを良く言う者だけでなく、
悪く批判する者に対しても同じように受け容れる能力をいいます。
 
限りなく受け容れて、従い、生み、育てることは、
発するだけの陽にはできません。
つまりそれが、陰の強みであり、
陰の立場にある者が得る喜びだといっています。
 
人の厚みというのは、受け容れ、従うことで
地層が積み重なるように、着実に厚みを増していきます。
 
そうやって築いた土壌には栄養がたっぷりと蓄えられ、
あらゆるものごとを生みだし、育て、
形にして実現していくことができます。
そこには不自由さも窮屈さもない、
限りなく広大な可能性を秘めていると教えています。
 
​『超訳 易経 陰』青本より​


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【「学問」という言葉の出典~
     自分に問いかけながら学ぶ】


「君子は学もってこれを聚(あつ)め、
問(もん)もってこれをわかち、
寛かんもってこれに居り、仁もってこれを行なう。
易に曰く、見龍田に在り、
大人を見るに利ろしとは、君徳なるなり。」
 
竹村 意訳:
師に学び、学ぶべき基本の型の数々を集めたなら、
疑問点をまず自分に問いかけて、理解を深めることだ。
その時に自分の考えで何が是か非かなどと決め付けず、
正解は一つではないと探究しながら、
あらゆることを受け容れる寛容な姿勢が大切である。
 
そして学んだことを、人や物事に対して、
思いやりをもって実践する。
初心の見龍が、大人を仰ぎ見て基本を体得するならば、
君子の徳を身につけるだろう。
 
「学もってこれを聚(あつ)め、問もってこれをわかち」
という一文は、「学問」という言葉の出典になっています。
基礎を作るために必要なものを集めるということです。
それは、何か一つだけではなく、
いろんな形、型を何度も、何度も見て覚えることです。
 
「問もってこれをわかち」とは、
師に問いかけるより前に、
まず自分に問いかけなさいということです。
 
自問自答のやりとりをしながら、
ああでもない、こうでもないと考えることで、
学んだことを咀嚼(そしゃく)していくのです。
自分のものにするために興味をもって、
イマジネーションを膨らますことが大切です。
 
もし、自分から知りたいと思わなかったら、
問いは出てきません。
また、片っ端から師に質問して答えをもらおうというのは、
学問ではないといっています。
自分の中で十分に考え練って、その後でする質問というのは、
凝縮されていて本質を突く鋭い質問なのです。
 
また、よく「要点だけを教えてください」という人がいます。
要点を聞いて、短絡的に「わかった」というのでは、
本当にわかったことにはなりません。
 
たとえ表現が同じでも、自分の経験を通して学んだこと、
肚に落とし込んで自分で出した答えは
重みがあり、力を発揮するのです。
 
まず学び集めて、自問する。
これを何度も、何度も、繰り返すことによって、
学ぶべきことのピントが合ってくるのです。
 
  ​『超訳 易経 陽』赤本より​


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易経一日一言は 6月1~6日の6日分です。

※易経一日一言を一年間通して読まれれば、
易経に書かれているおおよその内容を把握出来ます。


☆本当は一日一言は毎日投稿した方が良いのですが、
出張や資料作りに追われていて、数日分を纏めてUPします。

~帝王学の書~6月1日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆楽天知命☆

天を楽しみて命を知る。故に憂えず。 (繋辞上伝)

天の理法を楽しみ、自分の運命を生きる喜びを知るならば、人に憂いはない。
「楽天」と「知命」は同じ精神である。
いかなる運命でも受け容れ、喜び感謝して生きていく。
これは、天の働き・情理を楽しむ精神である。
この言葉は、楽天家、楽天主義の出典である。
易経は天の理法を学ぶ書。
よく学んだなら、真の楽天家となりうるだろう。




~帝王学の書~6月2日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆無作為☆

耕(たがや)さずして獲(え)る。
しせずしてよする時は、往くところあるに利あり。
                 (天雷无妄)

田畑を耕さなくとも収穫がある。
また、「しせずしてよする」開墾せずとも田畑がこなれる。
思い込みを捨て、洞察力を持ち、自然に則して生きるならば、
本来、耕作や開墾すら必要ないという意味である。
天雷无妄(てんらいむぼう)の卦(か)は、
作為せず自然の法則のままにまかせたなら、天は万物を養うと説いている。
我々は時として「何もしない行為」を知らなくてはならない。




~帝王学の書~6月3日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆品物形を流(し)く☆

雲行き雨施し、品物形を流く。 (乾為天)

「品物」とは「万物」と同じであるが、
生きとし生けるもの、その一つひとつのものをいう。
人間ならば個々人を指す。
天に雲が巡り、恵みの雨を降らし、地上を潤し、あらゆるものを育てる。
その天の働きによって、品物が「形を流(し)く」、
すなわち個々のものがそれらしく形成される。
これは個々の性質、持ち味、特性を生かし、力を発揮させるということ。
この天の働きは遍く流布するものである。




~帝王学の書~6月4日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆万物資(と)りて生ず☆

至れるかな坤元(こんげん)、万物資(と)りて生ず。(坤為地)

「坤」は天地の「地」、陰陽では「陰」を表す。
「天の気」である太陽の光、雨が地上の至るところに降り注ぎ、
大地はそれを受け取って形あるありとあらゆるもの、万物を育成する。
陰の徳は限りない受容と包容力である。
順(したが)い、受容して育成する、
女性、母、妻、臣下の徳は陰徳である。
ちなみに化粧品メーカーの資生堂は、
この「資りて生ず」から社名をとっている。




~帝王学の書~6月5日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆心の鏡を磨く☆

みずから明徳を昭(あき)らかにす。
        (火地晋)

太陽が自ら地の上に昇っていくように、自ら、明徳を明らかにする。
「みずから」とあるのは、自分の心を明るく保つのは自分自身であって、
人に頼ることではないという意味。
明徳は私欲に囚われていると曇ってしまう。
だから、自分の心の鏡が曇らないように、
日々、自分で意識して磨かなければならないのである。
火地晋(かちしん)の卦(か)は、太陽が昇るように前進して、
明徳が明らかになっていく時を説く。 




~帝王学の書~6月6日の『易経一日一言』(致知出版社)

 ☆幽明の故(こと)を知る☆

仰いでもって天文を観(み)、俯(ふ)してもって地理を察す。
この故(ゆえ)に幽明の故(こと)を知る。
                  (繋辞上伝)

「幽明」の「幽」は形なく眼に見えないもの。
「明」は形あって眼に見えるもの。
たとえば、身体は明、精神は幽であり、
現在は明、過去と未来は幽である。
天の巡りを仰ぎ観て、伏して地上の理(ことわり)を観察するとは、
物事の情態を真っ直ぐに観て、その真相を知るならば、
必ず裏の眼に見えない情態も見えてくるということである。
 
        ​『易経一日一言』(致知出版社)

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岐阜駅で一般参加OKの易経講座(予約不要)

6/10(土)午後、岐阜駅構内の易経講座❣
一般参加可能です❤(予約不要)

【長良川大学・岐阜東洋文化 共催】​
人生に生かす易経 ※ご注意‼ 占いではありません。
​ ​2023年6月10日(土) 14~16時​
演題:【沢水困~四難卦~臥薪嘗胆】
 目的を遂げるために苦心し、努力を重ねる。
​ ※サンプルモデルは春秋時代の呉越の戦い。
会 場 : 岐阜駅 岐阜市生涯学習センター
    今回は、和室研修室です。 
      (JR岐阜駅東・三省堂書店東隣)
会 費 : 1,000円​(予約不要)​
主催・事務局 : 岐阜東洋文化振興会 
☆講座終了後にお茶会・飲み会もあります。
☆2023年度 開催予定日:9/9、12/9、2024年 3/9
 (いずれも第2土曜日)​​