易経一日一言は 1月4~8日の5日分です。

 

※易経一日一言を一年間通して読まれれば、
易経に書かれているおおよその内容を把握出来ます。

 

~帝王学の書~1月4日の『易経一日一言』(致知出版社)

  ☆「義」が「利」を生む☆
 
利は義の和なり。
物を利すればもって義を和するに足り
           (文言伝)

 
「利」は実りの時。
春夏秋冬では「秋」。
「利」には刀で刈る、利益などの意味もあるように、
秋の刈り入れは実だけを収穫し、あとのものは切り捨ててしまう。
 
これは私情・私欲を厳しく断ち切って宜しき実りを得ることを指す。
人間の道徳にあてはめれば「義」である。
 
易経の教える「利」とは、
「義」が人間社会の和を保って行われることをいっている。
 
 
 
 
~帝王学の書~1月5日の『易経一日一言』(致知出版社)

  ☆物事の根幹にある「知」☆

貞(てい)は事(こと)の幹(かん)なり。
貞固(ていこ)なればもって事に幹たるに足る。
                 (文言伝)

 
「貞(てい)」は堅固、成就などの意味がある。
季節では「冬」。
土壌の滋養する時で、内面が充実していく時期。
人の道徳でいうと「知」。
知恵、知識は物事の根幹になる。
 
始まり(元)、成長(亨)、実り(利)、成就(貞)の循環が
万物に通じる易経の「四徳」で、これが「常態」。
この道を踏み外し、一足飛びに進もうとすると
必ず中途で挫折することになる。
 
 
 
 
~帝王学の書~1月6日の『易経一日一言』(致知出版社)

  ☆天は尊(たか)く、地は卑(ひく)く☆
 
天は尊く、地は卑くして乾坤(けんこん)定まる
                (繋辞上伝)

 
易経は宇宙の情態を象(かたど)って作られている。
天は地の上にあって高く、地は天の下に低くあって天の気を受け、万物を養う。
この天地のあり方から乾坤(けんこん)の根本が定まる。
 
「乾」は「天」、陰陽の「陽」であり、能動的な性質を持つ。
「坤」は「地」、陰陽の「陰」にあたり、受動的な性質を持つ。
 
この根本に従い、高くあるもの、低くあるものが
それぞれの働きを全うすれば、宇宙のみならず、人間社会も安定してくる。
 
 
 
 
~帝王学の書~1月7日の『易経一日一言』(致知出版社)

    ☆大地の力☆
 
坤(こん)は厚くして物を載せ、徳は无疆(むきょう)に合し、
含光弘大にして、品物ことごとく亨(とお)る。
              (文言伝)

 
「坤」は「地」を表し、陰陽の「陰」を表す。
「无疆」の「无(む)」は無、
「疆(きょう)」は境の古字で境界のないこと。
 
陰の象徴である大地はありとあらゆるものを
「无疆」に載せて、受容し、育成し、蓄える。
生命も物も一つひとつ豊かに形成して伸びていく。
 
陰の力は限りなく広大であり、
どんなものでも受け入れて生かし、育てていくパワーを持っている。
 
 
 
 
~帝王学の書~1月8日の『易経一日一言』(致知出版社)

   ☆一陰一陽☆
 
一陰一陽これを道と謂(い)う。(繋辞上伝)
 
陰陽は互いに相反し対立しながら、助け合う。
そして混ざり合おうとして交わりながら、
螺旋状に大きく循環して発展成長する道を造る。
 
陰陽は天と地、男と女、進と退というように、
対立する二つの性質に分かれ、
たがいに反発しながらも交じり合おうとする。
 
易経の思想では、この陰陽作用による弁証法的働きを道といい、
膨大なるエネルギーを発し、万象を生み出す源としている。
 
夏と冬は対立しながら、その力を消長、転化させ、四季は巡る。
 
冬が極まれば、春が訪れ、夏へと向かい、
夏が極まれば秋が来てまた冬へと向かう。
春夏秋冬が巡ることで生み出されるものは数限りない。
 
身近な例に喩えれば、学びの時代は陰。
その学んだものを社会に発揮することは陽である。
夜に休んで英気を養うのは陰。
そして翌朝、力強く爽やかに目覚めることは陽に当たる。
 
私たちの人生も、一陰一陽の作用の中で営まれている。
 
        ​『易経一日一言』(致知出版社)
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