易経一日一言は9月9~11日の3日分です。
 
※易経一日一言を一年間通して読まれれば、
易経に書かれているおおよその内容を把握出来ます。
 
~帝王学の書~9月9日の『易経一日一言』(致知出版社)

  時を誤るな☆
 
帰妹(きまい)は、征(ゆ)けば凶なり。
利(よ)ろしきところなし。
彖(たん)に曰く、帰妹は天地の大義なり。
天地交わらざれば、万物興らず。
           (雷沢帰妹)

 
雷沢帰妹の卦(か)は女性が嫁ぐ時を説く。
その順序を違えると、
吉事であっても、悪い結果になると教えている。
 
本来、女性が嫁ぐのは自然な流れである。
天地が交わらなければ万物が育たないように、
男女も交わって子孫が繁栄する。
しかし、その時を誤れば、
何事も後に必ず弊害が起きるのである。

 
 
 
 
~帝王学の書~9月10日の『易経一日一言』(致知出版社)

  ☆始まりを弁(わきま)える☆
 
帰妹(きまい)は人の終始なり。
説(よろこ)びてもって動く。
帰(とつ)ぐところのものは妹(まい)なり。
征(ゆ)けば凶なりとは、位当たらざればなり。
           (雷沢帰妹)

 
女性がお嫁に行くのは、妻としての人生の始まりである。
しかし、若い女性のほうから夢中になって嫁いでいくのは
始まりの立場を誤っている、と教えている。
 
ここでは男女の婚姻に喩えているが、何事も始めが肝心である。
一時の感情で意気投合し、
お互いの立場(位)を弁(わきま)えずに始めたものは、
結局、成り立つことはない。
 
 
 
 

~帝王学の書~9月11日の『易経一日一言』(致知出版社)

  金襴(きんらん)の交わり☆
 
二人心を同じくすれば、その利(するど)きこと金を断(た)つ。
同心の言は、その臭り蘭のごとし。 (繋辞上伝)

 
高い志を持つ二人の人間が心を同じくすれば、
硬い金属をも断ち、不可能を可能にするほどの働きをする。
 
また互いが真心から語り合う言葉は、
蘭の花の香りのように深く、透明で、芳しい。
 
この一文は「断金(だんきん)の交わり」
「金襴(きんらん)の交わり」の語源である。
いずれも私縁ではない友、同志の結束が堅いことをいう。
 
        ​『易経一日一言』(致知出版社)