さて

ようやく舞台レポートとして始動




ケムリ研究室『眠くなっちゃった』

世田谷パブリックシアターにて、観劇。


ゆるゆるとレポートを書いてまいります。











世田パブの舞台機構の故障により

東京公演の半分ほどが中止になってしまったこの作品。元々取っていた分のチケットも消えてしまった公演の1つでした。

なんとか追加公演である

10月9日の夜公演の部を手に入れ、

念願の観劇が叶いました。






天候:雨。

観劇の邪魔にならないようにと

この晴れ女の名を信じ←

頑張って折り畳み傘でGO。※無事でした


劇場へ入ると、大きな傘は観劇中音を立てないために床に置いてとの指示が。年配のお客さんの座席誘導を親切にされているスタッフさんなど、とても雰囲気が良かった。

珍しいことではないけれど

やっぱりこういう空気を感じると安心する。











以下物語について。

感想言い始めたら果てしなく長くなりそう(なんなら終わりがないんじゃないか)と思うので、浅くいきたい。※語彙力もないので…






今作最も印象的な装置は、張り巡らされたダクト。それらのダクトは錆びた色で年季が入っている、まさに"荒廃した未来"を感じさせる"ディストピア"の雰囲気。ぞくぞく。

ダクトの他にもタイプライターや蓄音機と…

映画『未来世紀ブラジル』を彷彿とさせ、まるでひと昔前に作られた未来の姿(レトロ=フューチャー)。


一方で氷河期の寒さと

生活を制限される人びと。

環境問題やコロナ流行を意識せずには居られないという絶妙なバランスで、

昔書かれた戯曲が現在

少しだけリアリティを帯びている…

そんな感覚のお話。






その世界に暮らす登場人物は

時に愛を過剰に求め、

時に容易く信頼を捨てる、

ちょっと変わった人たち。


普段普通に暮らしていてこんな人たちに会うことは無いし、言ってしまえば

何考えてるのかわからない

そんな第一印象からどんどん物語が進んでいくのですが、どうも放っておけない愛着が湧いてくる。




その要因の1つとして、

自分もどこかであの世界にいる人びとのように…

なんというか、

無意識に度がすぎてしまうことがあるんじゃないか

という小さな恐怖心がありました。


テレビをつければ目を逸らしてはいけない環境問題や世界の紛争問題、ウイルスという目に見えない何かに生活を縛られることなど…

どこかに『眠くなっちゃった』の世界と通じるものがある気がして。登場人物たちの頭の中はわからない、わからないけれどあの人たちの持っている不安や今に至る経緯に同調できる部分があるのではないかと思って見ていました。

だから、ありきたりな言葉だけど

今見るべき作品だと感動を覚えました。






個人的に受け取った大きなテーマは、愛。



夫を亡くしたノーラが情報管理局のリュリュと次第に心を交わしていく…この主軸となるストーリーだけでも見応えが十分ある。のに、

それだけじゃないのがこの作品。

親子愛が複雑化させてしまった

ナスカとアーチーの恋愛、

ポーとブービーの誰も知らない愛、

ゴーガのどうしようもないボルトーヴォリへの愛、

シグネにしか見えないアダムへの愛…

短編的な物語が他にも沢山絡んでいるのに、ぐちゃぐちゃとしないこのまとまりが凄く好き。ケラさん…大好き…


孤独が嫌で愛を求めるのに

どの愛情も孤独になって彷徨ってる。

なんて救いのない世界…

もがく人びとに人間の美しさを感じてしまう。

あぁ、

まさに人間のドラマを見ているな

って、熱くなっちゃった。











世田パブで行ったあの世界に

また帰りたいと思うわ、

余韻が残るわで、ケラさんたちがインスパイアされていた作品をいくつか見ました。

そういえばヨルコが旧型だからなにするかわからない~とかそんな前半のくだりで、もしかして『ブレードランナー 』的な展開?!とも一瞬思ったなあ。


個人的に1番あの世界に近い空気を感じられたのは『ロスト・チルドレン』

レトロ・フューチャーとはいえ荒廃した近未来は錆色に染まっており、1日中夜かと思われるほど外が暗い。輝いてない世界。

これだ…!この匂いだ!!

と感動を覚えた。劇中に流れる音楽も世田パブでの光景が見えてくるようで、世界観にどハマり中。











さて、『眠くなっちゃった』レポ?

ない語彙力でこの感動を忘れないようにと

書き留めてみました。


今日は大千穐楽。

1日ずっとそわそわしてましたが

無事に幕が降りたようで、よかった。

お疲れ様でした!

ありがとうございました!!

寂しい。

あの世界にまたお邪魔したいものです。


円盤はもちろんぽちぽち確定ね。