泡状潰瘍性大腸炎治療剤「レクタブル2mg注腸フォーム」が製造販売承認を取得 | 好奇心の扉

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大惨事の陰に隠された知られざる真実に迫ります。
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EAファーマ株式会社(本社:東京都中央区/~エーザイ株式会社の消化器事業子会社~)と、キッセイ薬品工業株式会社(本社:長野県松本市)は9月27日、EAファーマが、日本に於いて、潰瘍性大腸炎治療剤「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」(開発番号:AJG511)の製造販売承認を取得したと発表しました。

潰瘍性大腸炎治療剤レクタブル2mg注腸フォーム14回
潰瘍性大腸炎治療剤「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」
本体(注腸用アプリケーター装着時)


潰瘍性大腸炎は、主として大腸消化管粘膜を侵し、しばしば粘膜びらんや潰瘍を形成する原因不明の大腸のビ漫性非特異性炎症で、腹痛や下痢、下血などにより、著しいQOL(生活の質)の低下を余儀なくされる疾患です。

国内に17万人以上の患者がいると推定され、厚生労働省によって医療費助成制度の対象となる「指定難病」の一つに指定されています。助成は、難病指定医によって潰瘍性大腸炎の診断となった患者のうち、一定以上の重症度、或いは軽症であっても一定以上の高額な医療を受ける必要がある患者が対象となります。



潰瘍性大腸炎治療剤レクタブル2mg注腸フォーム14回方法
「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」投与方法。

「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」は、日本初の泡状の注腸製剤(∴注腸フォーム製剤)であり、1回の噴射で、潰瘍性大腸炎の主病変である直腸及びS状結腸まで、拡散される。

有効成分の“ブデソニド(Budesonide)”は。他の副腎皮質ステロイド剤に比べて、高い受容体結合親和性を有する一方、速やかに肝臓で代謝され、全身への曝露が少ないグルココルチコイド(副腎皮質から分泌されるステロイド系のホルモンの総称)です。

フォーム剤(泡状)の特性から、到達した薬剤の有効成分が腸管内に留まり、投与後に薬液漏出の課題が軽減されるという特徴があります。



潰瘍性大腸炎の治療法

潰瘍性大腸炎の注腸液剤

既存の潰瘍性大腸炎の適応を持つ注腸剤は、いずれも液剤(ペンタサ注腸、プレドネマ注腸、ステロネマ注腸)で、投与後に肛門からの薬剤漏出や、投与時に臥位(ガイ=あおむけ,うつぶせ,横向きなどの寝る姿勢)の姿勢を強いられるなどの問題がありました。

しかし本剤は、立位での投与が可能な事により、注腸治療の簡便性を向上させ、潰瘍性大腸炎の寛解導入治療に於ける新たな選択肢として期待されている。



──「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」の使用法──
レクタブル注腸フォームの使用法0
1回ごとに挿入用アプリケーターを交換し取り付け。

レクタブル注腸フォームの使用法1
立位でやや屈め、直腸より挿入し、定量注腸する。


本剤は、EAファーマ株式会社がドイツのDr.Falk Pharma社(ドクター・フォーク・ファーマ)より導入し、EAファーマ株式会社とキッセイ薬品工業株式会社が共同で開発を進めて来ました。

「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」の製造販売承認は、国内で、活動期潰瘍性大腸炎患者を対象に行った、第Ⅲ相二重盲検比較試験などに基づくものです。本試験では、本剤を1日2回、6週間直腸内投与した時の内視鏡所見スコアを基にした、粘膜治癒率を主要評価項目としており、プラセボ(偽薬)に対し「レクタブル®2mg注腸フォーム14回」の優越性が確認されました。


レクタブル注腸フォーム大腸各部位分布割合
治験データ:慶應義塾大学病院IBD(炎症性腸疾患)センター//慶應義塾大学医学部消化器内科

排便後に99mTc(99mテクネチウム=テクネチウムの放射性同位体)標識ブデソニドブデノファルクフォーム(ブデソニド2mg/20mL)を単回直腸内投与し、γカメラによるシンチグラフィ検査によって測定。


【製品概要】

【製品名】:レクタブル®2mg注腸フォーム14回(RECTABUL®2mg)
【一般名】:ブデソニド(Budesonide)
【効能又は効果】:潰瘍性大腸炎(重症を除く)
【用法及び用量】:通常、成人には1回あたり1プッシュ(ブデソニドとして2mg)、1日2回直腸内に噴射する(肛門より)。

【使用上の注意】:本剤が腸内で到達する範囲は、概ねS状結腸部までであり、直腸部及びS状結腸部の病変に対して使用すること。

【製造販売元】:EAファーマ株式会社
【販売元】:キッセイ薬品工業株式会社

2017年3月時点、「レクタブル®」は世界36ヵ国で承認されています。






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