抗血小板薬「ブリリンタ®錠」の国内販売開始 | 好奇心の扉

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アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市)は、抗血小板薬「ブリリンタ®錠60mg / 90mg」(一般名:チカグレロル)について、急性冠症候群(ACS)、及び陳旧性(ちんきゅうせい)心筋梗塞(OMI)の適応で、2月8日に日本国内で新発売したと発表した。
「ブリリンタ®錠60mg/90mg」は、2016年9月29日に国内製造販売承認を取得、同年11月18日に薬価収載されていた。



抗血小板薬ブリリンタ錠

抗血小板薬は、動脈硬化によって作られたプラーク(アテローム)が破裂する事によって血管に傷がつくと、血小板が活性化して血栓(血液凝固)が作られ、冠動脈を詰まらせる作用を阻止する薬剤。




急性冠症候群(ACS:Acute Coronary Syndrome)は、動脈硬化により形成された不安定プラークが破綻し、そこに血栓が出来る事によって冠動脈内腔が急速に狭窄または閉塞した病態を言う。(冠動脈とは、心臓を取り巻く心臓に血液を供給している動脈)

急性冠症候群


陳旧性心筋梗塞(OMI:Old Myocardial Infarction)は、発症から30日以上が経過した心筋梗塞の事で、症状は安定しているものの、壊死した心筋は線維化している状態。(急性心筋梗塞の場合は発症から3日以内で、胸痛があるが、陳旧性心筋梗塞では発症時に胸の痛みを感じない)


陳旧性心筋梗塞と正常な心筋細胞



「ブリリンタ®錠」は、血小板(血液凝固や止血に重要な役割を果たしている血液成分)のアデノシン二リン酸(ADP)受容体(P2Y12)に対して選択的、直接的な阻害作用を有し、ADPによる血小板凝集を抑制するシクロペンチルトリアゾロピリミジン群(cyclo-pentyl-triazolo-pyrimidines:CPTPs)に分類される、新規化合物製剤である。

ブリリンタ錠の作用機序

「ブリリンタ®錠」によるP2Y12受容体阻害は、既存のチエノピリジン系P2Y12受容体阻害薬とは異なり、可逆的(変化したものを、元の状態に戻す事が出来る)性質である為、投与終了後には速やかに作用が消失する特徴がある。

また、肝臓での代謝活性化を必要とせずに作用が発現し、投与後早期に血小板凝集阻害作用が得られ、代謝酵素の遺伝子多型による影響を受けず、効果の患者個体差が少なくなっている。



【製品概要】

【販売名】:ブリリンタ錠60mg、同90mg
【一般名】:チカグレロル
【効能・効果】
   1)ブリリンタ錠90mg:経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)(但し、アスピリンを含む抗血小板剤2剤併用療法が適切である場合で、尚且つ、アスピリンと併用する他の抗血小板剤の投与が困難な場合に限る)

   2)ブリリンタ錠60mg:以下のリスク因子を1つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発現リスクが特に高い場合

  ・65歳以上
  ・薬物療法を必要とする糖尿病
  ・2回以上の心筋梗塞の既往
  ・血管造影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患
  ・末期でない慢性腎機能障害

【薬価】:60mg1錠/100.70円、90mg1錠/141.40円
【用法・用量】
  ■ 急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)
     通常、成人には、チカグレロルとして初回用量を180mg、2回目以降の維持用量を90mgとして、1日2回経口投与する。

  ■ 陳旧性心筋梗塞
     通常、成人には、チカグレロルとして1回60mgを1日2回経口投与する。



「ブリリンタ®錠」は、欧米を含む世界120カ国以上で急性冠症候群(ACS)の適応症で承認されており、米国とヨーロッパにおいては心筋梗塞の既往の適応でも承認を受けている。



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