DVDを観ようと照明を落とした部屋に映像の音声だけが響く。
伸ばした手は彼女を包み込み、腕の中に閉じ込める。
芝居の上とはいえ俺を煽る彼女の前に俺はどうしようもない嬉しさと・・・腹立たしささえ感じていた。
この子は俺を『男』として見ていない。
その事実をあらためて突きつけられたような気がして。
彼女から零れる言葉は俺を喜ばせ、彼女が演じる態度は昔の男の影を感じさせ俺を翻弄する。
これが計算なら、ひどい悪女だと思う。しかし、相手は『最上キョーコ』。
ラブミー部員ながら俺をここまで煽るのはもう天然小悪魔としか言いようがない。
『計算』よりたちの悪い『天然』の誘惑に俺の理性は風前の灯だった。
素直に腕の中に納まる、小さな身体。
首元をくすぐる彼女のサラサラな髪もただ俺を煽り続ける。
また、無表情になっているだろう俺に彼女はちょっと困ったような笑顔を俺に向け言った。
「疲れているみたいね?・・・やっぱり、今日は帰ろうかな。送ってくれる?」
俺はそのセリフに我に返る。
彼女に翻弄されて芝居を忘れ、素の自分が思考を占領していたから。
とっさに彼女のセリフから『彼氏』として芝居を続行する。
「あぁ、ごめんね。ちょっと明日の会議の事を考えていたものだから。」
そういった途端彼女は頬を膨らませる。
「私と一緒にいるときにそれは酷いわ。もう、蓮なんかキライ。」
そう言って俺の腕から逃れ窓の際まで逃げて後ろを向く彼女。
ちょっと拗ねる彼女が可愛くて・・・
「ごめんね。もう・・しないよ。・・それに・・・」
窓のには白い結晶がいくつも付いていた。
気が付けば外の世界は雪が降りしきっている。
窓から視線を落とすと眼下には一面の銀世界。
「これじゃ、君を送ることができないね。今日は泊まっていけばいい」
俺の言葉に動揺する君。
そんな彼女を後ろから抱きしめる。
鼻孔をくすぐる彼女の香り。
余りの甘さに耐えられず、彼女の耳元で囁いた。
「このまま・・・俺の本当の彼女になってくれないか?」
彼女の『彼氏』ではなく、『俺』のセリフ。
俺は、もう、これ以上芝居を続けることに限界を感じていた。
芝居・・だけではなく、今のこの関係を続けることに・・・もう、我慢が出来なかった。
彼女の過去の男の影も、彼女を手に入れることで塗りつぶしてしまいたかった。
そして、俺を、『男』として意識してほしかった。
<Next Story>
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