多くの市販の便秘薬には、腸を刺激して便を出しやすくする成分が含まれています。
具体的な刺激性成分には、センノシド、ビサコジル、ピコスルファート、ダイオウがあります。漢方やお茶、サプリメントにも含まれていることがあります。
これらの成分は効果が早く現れるため頑固な便秘による不快な症状をすみやかに改善してくれるものの、長期間使用する際には依存性もあり、注意が必要です。
便秘症のガイドラインでも刺激性の便秘薬はここぞという時のみ、短期間に使用をとどめるように推奨されています。
効果も見られやすいため使用しやすいのですが、ダイエットのために安易に下剤を服用し始め、そこからエスカレートしていくケースに出会うこともあります。
分かりやすく体重が減るものの、自己判断で飲み続けたり飲み過ぎることはとてもリスクが高いことを知っておいてほしいと思います。
腸が黒くなる!?大腸メラノーシス
センナ、大黄、アロエなどのアントラキノン系下剤を長期間使用していると大腸メラノーシスが起こります。
自覚症状などはありませんが、内視鏡で大腸を観察すると粘膜が黒褐色に変化し、ピンク色の正常粘膜と比べると、その見た目の差は歴然です。
大腸メラノーシスを電子顕微鏡で観察すると、大腸粘膜の吸収細胞の破壊、神経繊維の変性といった変化が見られます。
大腸の運動障害がおこり、慢性炎症が関与していると考えられています。
慢性炎症は老化の一因とも言われている現象です。
腸内環境を良好に保つためにも慢性炎症は避けたいものです。