環境疾患過敏症の疾患・病態・症状についての説明

 第5の公害病ともいわれる環境疾患である過敏症は、国際疾病分類(ICD10)T65・9で公式名称となっており、日本では2009年に保険適応されている。通常ではほとんど問題にならない微量化学物質(ppm,ppb単位)・電磁波等に反応して多臓器障害(循環器・神経・免疫・運動器官・気道・内耳・泌尿器・消化器・眼・生殖器・生殖器・精神)を引き起こす疾患である。多臓器障害のため症状は多岐にわたる。(呼吸困難・不整脈・循環障害・頭痛・めまい・耳鳴り・筋力低下・筋肉痛・関節痛・振戦・排尿障害・尿失禁・生理不順・腹痛・吐き気・下痢・便秘・皮膚炎喘息・咽頭痛・自己免疫異常・発汗異常・易疲労性・結膜刺激症状・視力障害・消化器異常等々)。最近の知見では、脳の反応が亢進した状態があり、中枢性過敏症候群、視床下部症候群に含まれる疾患であるという概念が受け入れられてきている。確立した治療法がなく、化学物質からの暴露を避けることでのみ症状の出現を抑えることが出来る。再暴露によって症状は出現し本質的な過敏度の改善は認められず、一度獲得した「過敏性」は現状では永続的であるといわれている。