*化学物質・電磁波対策

 過敏症発症時には身の回りの様々な化学物質・電磁波等に反応し始め、衝撃的に症状が出現します。あまりにつらく、恐ろしく、絶望的な気持ちになる人もいます。この時期には、反応するものをとにかく避け続けることが非常に重要になります。少しづつ、薄皮をはぐように、衝撃的な症状がやわらいでくることと思います。
 この時期を乗り越え、その後も症状を起こさないような生活を継続しましょう。

 以下の対策は、必ずしなくてはならないというものではありません。参考までにご紹介しています(実際に行っている対策方法を紹介しています)。
 症状・状況に応じて個々の判断で行ってくださいますようお願いします。


1、自宅対策

(1)化学物質対策
・合板、石膏ボード、ビニル性壁紙、接着剤等の新建材が、可能な限り使用されていない家に居住する。
・周辺からの様々な化学物質・電磁波による負荷のない場所に居住する(町中・住宅地・田畑・果樹園・ゴルフ場のあるところをさける)。
・集合住宅ではなく一軒家がのぞましい(隣の住民からの化学物質・電磁波を避けるため)。
・ヘリコプターによる農薬散布実施地区とその周辺には居住しない。
・合成洗剤・合成シャンプー・合成リンス・石油系掃除用洗剤・塩素系漂白剤・防虫剤等を自宅内から排除する。使用しない。
・VOC(揮発性有機化合物)が出るものについて、可能な限り家から排除する。
・合板・合成接着剤が使用されている家具を使わない。
・合成洗剤で洗濯していた衣類を入れていた、タンス・クローゼット等に、洗剤変更後の衣類は入れない。
・防虫剤が入っていたタンス等を家から出す。
・常に換気に心がけ、家の中のドアも出来るだけあけておく。ただし、近隣からの化学物質流入に注意する。
・洗濯機は可能であれば屋外・ベランダ等に設置し、洗濯中揮発する化学物質からの暴露を避けること。
・過敏症患者と同居している人は、外出から帰宅したら直ぐに入浴、または着替えをする(着替えた衣類は、直ぐに屋外に出し、可能なら流水につけたのち洗濯し天日干し後に自宅内に入れる)。帰宅時の着替えは玄関近くの部屋で行い、外出着のまま、家の中を移動しないようにする。
・外から、自宅内に持ち込むあらゆるもの(食材も含めて)は、暴露しないかどうか確かめてから持ち込む。
・購入したばかりの衣類は、雨ざらし・洗濯・天日干しを繰り返し、一定程度化学物質を抜いてから着用する。
・新しい本(インク・接着剤)、中古本(消毒・香料)は天日干してから自宅に入れる、もしくは避ける。

(2)電磁波対策
・アンテナを設置しなければ地上デジタル放送が入らない場所に居住する。
・近隣からの電磁波の影響を受けないよう、集合住宅ではなく、人家から離れた一軒家に住むのが望ましい。
・電磁波測定器で測定し、可能な限り低電磁波の地域に居住する。
・携帯電波塔周辺に居住しない。
・風力発電からの低周波を受けない地域に居住する。
・家の隣に小屋を建て可能な限りの電化製品を小屋に移動する。
・家の隣に小屋を建て、電気の引き込み、電話(PC)の引き込みは小屋にする。分電盤を小屋に設置し家の中への電気はごくわずかになるようにする。
・電力会社と交渉し、スマートメーターの設置を断り、従来の旧式のメーターを使用する。
・家電は可能な限り電源を切るか、雨に濡れないようにカバーし屋外に出して使用する。
・室内分電盤を可能な限りOFFにする。
・天井の電気に反応するときは、窓外側に配線する。
・蛍光灯、LED使用をやめる。
・屋根に設置の太陽光発電は使用しない。
・PCは有線で使用。回線は出来るだけ遅いものを使う。
・PCを屋外で使用(ラインを長くして)。
・スマホ・PC等自宅内に置かない、使用しない。
・電池で動くワープロを活用する(文書作成等ワープロで行い、送信等の必要時のみPCを起動する)。

(3)食事・食材について
・体調が落ち着くまでオーガニックであっても刺激物は避ける。
・可能なら添加物を避け、オーガニック食材へ変更する。
・過敏症の場合、暴露等によりビタミン・ミネラルが不足しがちになるので注意すること。

(4)身辺の清潔保持、衣類、身だしなみに関すること
・コットン、麻等の自然素材は化学物質が付着した場合、洗濯の繰り返しで落ちやすい。ポリエステル等の化学繊維は非常に落ちにくい(特に起毛素材のポリエステル)。
・洗剤、シャンプー、ボディソープ、掃除用洗剤等すべて無香料・オーガニック石けん等へ変更する。(主原料がオーガニックであっても様々な添加物を入れているものがある。また無添加と記載があっても厚労省指定の添加物が入っていないだけであって、添加物が全く入っていないことではない場合が多いので注意すること。微量添加物は記載されていない場合があるので製造業者に確認すること。)
・新しく買った衣類は、着られるまで流水につける・雨ざらし・洗う・天日干しを繰り返し、化学物質を抜き、過敏反応がでないようにしてから着る(洗濯を干すとき、周辺からの化学物質が付着しないように注意)。
・寝具についても衣類と同様にして使えるようにする。
・美容院は、合成シャンプー・整髪料等を使用しない美容院か、過敏症対応の話し合いに応じてくれるところを見つける。他の客がいないとき、窓を全開にしてカットしてもらう。自宅から、ケープ・はさみ・シャンプー・タオル等持参する。もしくは、訪問カットを依頼する。施設・病院では訪問カットを美容院にお願いしているところがあるので、近隣の施設・病院に訪問カットをしてくれる美容院を訪ねると良い。訪問カットの場合、可能であれば屋外でしてもらう等対策をとること。(来客時の対応参照)

(5)外出・来客に関すること
・外出時は化学物質過敏症用の活性炭マスクと通常のマスクを二重にして常に着用する。(患者によっては、マスク自体に反応して着用できない・マスクに吸着した化学物質に反応してしまうためマスクが着用できない等の問題もある)
・帰宅したらすぐに入浴。外出していたときの衣類はすべて屋外で流水につけ、その後洗濯して、香料等化学物質が抜けてから家に入れる。
・外出の時に着ていた衣類にはどうしても香料等化学物質が残存してしまうため、外出着と室内着は分ける。(室内着と外出着を同じ場所に収納しないこと)
・来客の方とはマスク着用し、庭、屋外で会う。庭にテーブル・イス・雨除けのテントを用意すると良い。
・区切られた空間の中で香料を含む洗剤を使用している人との同席は避ける。自宅に入っていただく際は、すべての窓・ドアを全開する。室内の様々な家具・カーテン・衣類等に化学物質が付着することを避ける。
・訪問者の香料等の化学物質が残存してしまうため、出来るだけ自宅内へは入ってもらわない。