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メキシコ文化、老舗の大衆酒場編
ケレタロ州のオトミ族Ñöñho(ニョニョ)集落を訪れた帰途のこと。
ローカルバー探訪
立ち寄ったAmealco(アメアルコ)の町を出る直前、車に乗ろうとすると、目の前に「プルケリヤ」の看板を発見。
「Cantina カンティーナだね。メキシコでは大衆酒場を言うんだよ。覗いてみよう」とミゲル。
片田舎の昔からある佇まいに、お互い興味津々で、
中を見せてもらうつもりで入ってみる。
カウンター奥から、英語を話せるご主人と子供たちが笑顔が迎えてくれ、
テキーラ、メスカル、クリーミーなココナッツリキュール、チリソース入りビール・・・、
次々と試飲を薦められ、あっという間に向こうのペースに…。
これはロンポペ。
卵の黄身に砂糖、牛乳、アルコールを混ぜたリキュールで、プエブラ州の特産。
アニスのリキュールは、
消化に良さそうなスーッとする味。
主人の巧みな解説、歴史ある雰囲気に、すっかり魅せられてしまい、思わぬ長居となった。
ここは60年以上前、彼の祖父が始めたという老舗バーで、店内には、昔のキリンビールはじめ、世界のビールコレクションが飾られている。
壁には、古いバーあるある、
「いかにも!」なビキニ女性の写真が。
その横には、マリア様(映ってないけど)。
55年前のレコードプレーヤーを動かしてくれた。
コインを入れ、曲のボタンを押すと、
レコードがガチャッと入れ替わり、回り出す仕組み。
アナログってワクワクする。
ここでトイレをお借りしようとすると、
男性用立ちション・スペースがあるのみとのこと、昔の酒場は、男の世界なのだ。
よって裏のオーナーご自宅へお邪魔すると、立派な邸宅だこと!
私立学校の制服にびしっと身を包んだ、英語が上手なぽっちゃり息子さんらが、昼食中だった。
このご主人は、エンジニアでもあり、
ケーキ屋のオーナー(自らケーキも焼くという!)でもあり、多角的なビジネスマン。
引き継いだバーへの愛情もたっぷりにじみ出ていて、お酒の作り方、薦め方、話し方、全てにおいてキレ者、かつ上品だった。
お暇する際もお金を決して受け取らず、おもてなしの心も厚い!
ありがとうございました!!
帰途の車中、ミゲルがコメントした。
「あの店は、上質の酒を置いていたね。
でも、よくあるバーにある安い地酒ってのは悪酔いさせ、人に現実を見なくさせる。
現実から目を背けたい人が、逃げるためのツールになっているんだ」
「オーナーは離婚したと言っていたね。
結婚という選択は、男女2人が、
残りの人生を、「相手の人生」というプロジェクトに、捧げる決意があるかどうか、ということ。」
詩的な表現のミゲル哲学!
その晩は、このミゲルの面白い人生について、語ってもらった。
次回へつ・づ・く・・・
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最後までお読み頂き、有難うございました!