有限の体、無限の魂 | Wander the World

有限の体、無限の魂

 

  カレンのお父様を訪ねて

 

オークランド滞在中、カレンご主人のかわいいフォルクスワーゲンクラシックで、
郊外のシニア向け豪華マンションへ連れて行ってもらった。

 

立派な門、手入れが行き届いた美しい庭、受付を通り、ハイテクエレベーターで上階へ。
扉が開くとちょうど、入居者であるお父様と、カレンの弟ご夫妻が!

中にある、チベタンフラッグなどが飾られたカフェでお茶をした。

カフェでは日本人女性が働いていたが、
他にも、受付、介護者、中のヘアサロン、エクササイズ教室・・・、
働く人すべてが、アジアかサモア系の人たちだったことに驚いた。

2013年当時も、
「これからは欧米諸国、特にAUS、NZ、日本での老人介護は、

東南アジアのへのアウトソーシングとなるだろう」
などと言われていたが、しみじみ実感した。

人口、労働者の、需要と供給のバランス面だけでなく、
"個""自立"の意識が強い国々からすると、
東南アジアの人々の、面倒見や気遣いの精神、
外部委託はマッチングするのだろう。
 

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ラウンジを通って、お父様の部屋へ。
元アーミーのオフィサーだったというだけあり、
勲章がずらりとついた軍服や、軍関係の本、当時の写真などが飾られていて、

人生の軌跡を少しだけ覗かせてもらった。

カレンに似て長身、好奇心に満ちた瞳は今もキラキラとしていて、
戦時中日本に1年間滞在し、ポツダム宣言で撤退した体験、
彼の祖先はアメリカから船でNZに来たパイオニアだったことなど‥、
嬉しそうに話してくれた。

肩が動かない、足腰弱って歩けない・・・と、

杖や人の支えはいるけれど、頭も心も冴えていた。

「老いていくのは体だけ。
彼の心には、今生で得た知恵・経験が蓄積されている。
SpilitもSoulも、歳をとったり衰えることはないんだ」


と、彼の奥にある光を見つめた。

お暇する際、ハグをしてこう言われた。


「Probably I won't see you again.」
おそらく再び君に会うことはないだろう・・


少し泣きそうになった。

繰り返し聞くこの言葉と別れのハグも、

この施設で暮らす87歳の彼を前にすると、重みをもって響いた。
本当に貴重な、一期一会。

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「老いる」という誰もが通るプロセスを目の当たりにして、
ここを後にしながら、考えていた。

平均寿命や身体的丈夫さでいったら、私も折り返し地点を迎えつつある。


魂は死ななくとも、今生の、この体での人生は、必ず終わりが来る。

それまで、いかに生きるか。どう死ぬか。


少しでも濁り(不要な信念、パターンなど)を取り除いていき、
その時どきの、自分にとっての真実、

心の声に従って、生きたい。

そして、魂の乗り物である、

この神秘に満ちた体のメンテナンスも、

しっかりしていこう。

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いい・悪いのジャッジ抜きに、
先進国のこうした「老後生活」(この表現が的確かは別として‥)のあり方を見させてもらったのは、

いい経験だった。

お金に余裕のあるシニアたちが、
この美しく静かなエリアの、とても高い家賃の小さなちいさな一室に、
きゅーっと身体を押し込めている。

彼も他の住居者同様、備え付けの小型TVの他に、大型液晶TVを入れ、
世界情勢ニュースをつけっぱなしていた。
部屋では、Victria州での火事やアルジェリア紛争の光景が、ずーっと垂れ流されていた。

カフェでは、着飾ってお化粧バッチリでコーヒーを飲む女性、
ラウンジでひとり座りカードを並べている男性・・・、
挨拶をしても、無言、無表情の人が多く、笑顔は見なかった。
(もちろん、何歳になってもオシャレをしたり、好きなことに没頭するのは素晴らしい。)

オーストラリアでネパール人ミーナと友人になり、

後で彼女の故郷の村を訪ねた時の言葉を思い出す。

「私は将来絶対!自分の村で、家族の面倒を見て暮らすわ。
お年寄りの孤独な姿をオーストラリアでたくさん見てきたから」。


第三世界の村では、お金はあまりなくとも、
お年寄りは子供たち、村人に囲まれて、
「個」「孤」とは無縁の生活に見えた。

NZ南島シロー&ラニーさんの暮らしも思い出す。
彼らは50代でまだまだ身体も丈夫で、

ここにいた70-90代の方と比べるわけにはいかないけれど、
きっと彼らの20、30年後も、あの場所で、最後まで暮らし、
自然の摂理に沿った生き方をするだろう。
たくさんの訪問者に真実を伝え続けながら・・・。

どれも私にそう「映る」だけで、いい悪いなく、

それぞれの魂の学びのプロセスがあるだけだろう。

ただ、雄大な南島を回って来てから、
大都会の老後生活のあり方を見せてもらうのは、別世界で刺激が強かった。


Aucklandが一望できるMt.Edenへ連れて行っていただき、
ビル群、周りの山、島を囲む海を眺めて、頭をリフレッシュ。

 

Ponsonbyのカフェでひと息。

 

 

 

  旅立ち

 

空港へと出発する直前、

セーリングより帰って来たカレンと束の間の再会ができ、
今回の約1ヶ月のNZ南島の旅が、幕を閉じた。

・クライストチャーチでの典型キーウィの家滞在
・自然の中のシローさんラニーさん宅での学び
・イスラエル人グループとの出会い
・大自然をキャンプをしながら回った南島
 

最後はオークランドで、
有限・無限である私たちの両面を、改めて思った。

 

 

  リセットの地ニュージーランド

オーストラリアを出る前、霊視ヒーラーに言われたことを思い出した。

メキシコに行く前に、行くべきところがあるって出てるよ」
「NZですか?」ルートを想定して聞くと、
「そのようだ」 と。

「そこで一度、自分のエネルギーをクリアにしてから、
また旅に向かうようになってるみたいね。
いい出会いもあるよ」


まさに、その通りだった。

オセアニア、アジア、欧州、アフリカと旅してきた後、
再びオーストラリアで働き、ヨガを勉強し、
中南米へ・・

その前にNZで過ごした時間は、
ひとつのサイクルのしめ、
そして新たな旅のステージを開始
するのに、うってつけだった。

 

2回訪れたNZは、

いつも自分をニュートラルに戻してくれる場所。
 

心がクリアになり、その光の視点が定まる感じ。
 

波動が高く、不思議な磁力のある土地。
 

曇りなき眼で真実を見る、それを思い出させてくれる場所。

 

本当に、ありがとう!

さぁ、ここからメキシコへ!
楽しみだ!

~乗り継ぎのLA空港での手記より


シローさんに習って作った籠、さすがに一緒に旅できないので、

カレン宅へ置いていく・・・。

今でもあるかなぁ。

 

肉体って、この籠みたいなものかもね~。

 

 

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