映画 その52
 『ダーティハリー』シリーズ
監督:ドン・シーゲル他
出演:クリント・イーストウッド
   アンディ・ロビンソン
   レニ・サントーニ
ストーリー
 サンフランシスコ市警の刑事ハリー・キャラハンは、犯罪者に対してのその容赦ない捜査姿勢から、ダーティハリーと呼ばれていた。
 ある日、スコルピオと名乗る男が一人の女性を狙撃により殺害、次の犠牲者を出したくなければ10万ドルを支払うよう脅迫をしてくる。それに対し、市警察は要求を拒否。予告通り、黒人の少年が殺されてしまう。
 スコルピオは今度は少女を誘拐し、再度10万ドルを請求、引渡し役にハリーを指名する。
 少女の安否がわからず、手が出せず無抵抗のハリーをスコルピオは痛めつけ始める。そこへ尾行していた相棒のチコが駆け付け、銃撃戦になり、隙をみてハリーはナイフをスコルピオの脚に突き立てる。
 スコルピオに一旦は逃げられたものの怪我の治療をしたはずとふんだハリーはその線から居場所を突き止め、傷口を痛め付けて、誘拐された少女の居場所を吐かせる。
 しかし少女は既に殺害されており、また人権と手順を無視した逮捕と自白強要が問題となりスコルピオは放免、さらにスコルピオの偽証によりハリーは謹慎処分を受ける。
 釈放後、スコルピオはすぐにスクールバスをジャックする。そのバスに陸橋から飛び移るハリー。二人の決着の時が訪れた!

 「お前の考えていることはお見通しだ。俺が6発撃ち尽くしたか、まだ5発だったかってことだろう?実を言うと俺も興奮して何発撃ったか数えるのを忘れてたんだ。だがまあ、こいつは44マグナム、もっとも強力なハンドガンだ。お前の頭なんて、一発できれいにフッ飛ぶぜ。お前は自分の運を信じるか?試してみろよ、チンピラ!」
 山田康雄氏のセリフにシビレるオープニングの名シーン。既にルパンの声が板についている栗田寛一氏でもこの渋さは無理でしょう。やっぱり世代的に吹き替え版が好き。
 刑事物で重要な犯人のキャラクターと設定だが、二作目の犯罪者を自ら処刑していく白バイ警官グループもいいが、シリーズを通してやはりトップはこの一作目の“スコルピオ”だろう。このクソッぷりとイカれようは、映画史でも上位に挙げられる名犯人キャラだ。ジャックしたバスの子供たちにパパもママも殺しに行くぞと脅して歌わせた歌が今でも耳を離れず、これも吹き替え版ありきかな。
 無茶な捜査のせいで相棒が怪我したり、殉職したりで長続きせず、一匹狼のイメージが強いハリーだが、スコルピオからハリーを助けて怪我をした相棒の見舞いに行って、復帰したらまたそのままコンビ復活しようと伝えたら、やんわり断られた時の彼がちょっと可愛いかも。