昨日↓の続きです。
様々な偶然が重なった結果、専門学校の教員に転職したのだが、学校と名がついても、専門学校は今までいた学校とはかなり違ってきた。
もしかしたら私立と国公立の違いかも。
まず思ったのは、学校内が組織としての体をなしていないということ。
運営するために様々な分掌があるのだが、かなり重要なはずの教務が機能していない。
教務部門のトップが行き当たりばったりで勝手なルールを適用するので、同じような事例に対して一貫性のある対応ができない。
教務内規を作れと言ってもさっぱり進まず、最後には「教員全員が教務です」との呆れた発言をした。
シラバスはいい加減で、実際の授業は全然合っていないし、時間割に入っていない(=カリキュラムに入っていない)ものを平気で時間外に突っ込んでくる。
だから大卒の学生や、社会人入学生からはブーイングの嵐だった。
学生集めに苦労していたのは、卒業生からの評判が悪いので口コミで入学生をゲットできないことと、運営がいい加減だから、できる人から辞めていってしまい、それが高校に知れて学生を送ってくれなくなったせいのようだった。
要するに、学生満足度が低いのだ。
学校側も手を打たなかったわけではなく、退学防止のためにコンサルタントを入れていた。
私が赴任したとき、そのコンサルタント契約の最終年度だったのだが、なぜか入ったばかりの私もその会議に呼ばれた。
その会議では授業方法(学生が興味持てる授業の実施)やON/OFFのメリハリなどについての改善策、徹底的に学生に寄り添うことなどを話していたのだが、コンサルタントの言うことは以前勤務していた高校では当たり前に行われていたことばかり。
これがありがたく語られると言うことで、この学校の教育レベルの低さはすぐにわかった。
最後に意見を求められたので、高校で当たり前にやってきた授業改革の話と、学生という顧客の満足度を上げる必要性を話した。
その年度の終わりにコンサルタントと会議メンバーのお疲れ様会があったのだが、コンサルタントとは、本当に主体的に取り組む、本物のアクティブラーニングを実現するための方策など、随分込み入った話をさせたもらった。
後から知ったのだが、私を専門学校に誘った人事の次長は、コンサルタントからいい人材を取ったと言われたんだそうだ。
悪い気はしないが、今時どこの高校でもやっていることばかりなので、あまりに低次元で残念でもあった。
私がこの学校に呼ばれるきっかけになった次長や校長と話した時の内容は、コンサルタントが学校に求めていた改革の内容と同じだったので、高待遇で採用されたのだろうと思う。
だからコンサルタントの入った会議にも呼ばれたのだろう。
この学校に来てから丸4年が過ぎた。
いまだにおかしな風習や無意味なことがたくさん残っている。
それでも少しずつ改革は進んでおり、顧客満足度は確実に上がってきている。
少なくとも私のいる学科の卒業生は、入学して良かったといってくれているし、兄弟を入学させてくれるものもいる。
どこまでできるかわからないが、まだ残るおかしな部分を1つでも減らして、学生が楽しく学べ、来て良かったと思える学校にしていこうと思う。