仙台高裁で第一回口頭弁論
宮口高枝 (脱被ばく実現ネット)
10月22日、仙台は秋晴れのデモ日和の中、
「子ども脱被ばく裁判」の控訴審の第一回口頭弁論が
仙台高等裁判所で開始された。
3月1日の福島地裁判決で、
遠藤通路裁判長は
「棄却する」とだけ言い踵を返して法廷を後にした。
3・11東日本大震災で福島第一原発は爆発事故を起こし、
原発三基がメルトダウン。
事故直後から、山下俊一・福島県放射線リスク管理アドバイザーは
福島県内を放射能安全キャンペーンで講演してまわり、
子どもたちを逃がそうと準備していた親たちを
福島県内にとどまらせた。
その結果多くの子どもたちが無用な被ばくを強いられ、
事故後数年で、子どもには珍しい病気だった
小児甲状腺がんが多発し、今は290人を超えている。
福島地裁では、原告の陳述のみならず、
福島医大病院で小児甲状腺がんの
すべての手術に関わった鈴木真一医師と、
放射能安全キャンペーンを行なった
山下俊一氏の証人尋問を実施し、その欺瞞性を明らかにした。
しかし福島地裁の判決は、追及した欺瞞にはいっさい応えず、
何も判断しない人権無視の判決だ。
「安全なところで教育を受ける権利」
と
「命がかかっている」子ども脱被ばく裁判に、
日本の司法の無責任さをこれでもかと見せつけた、
あまりに卑劣な判決で、あの日から、原告はじめ弁護団、
支援者たちは譲れない闘志を秘め、
弁護団は150ページにおよぶ控訴準備書面を提出。
仙台高裁、第一回口頭弁論の日を迎えた。
裁判に先立ち、仙台市内の元鍛冶丁公園から、
仙台繁華街を通り、仙台高等裁判所まで
100名近くの参加者がデモ行進し、
支援の輪が広がった。
子ども脱被ばく裁判前に、
仮処分「ふくしま集団疎開裁判」が訴えられ、
仙台高等裁判所の判決は、
「福島県は子どもを教育するには被曝の危険。
勝手に逃げろ」
だった。
「ふくしま集団疎開裁判」の控訴審時に、
子どもを疎開させて!
子どもを被ばくさせるな!
とデモ行進した、ほぼ同じコースで、
何年ぶりかで仙台市民や仙台高裁へアピールした。
デモを企画実施したのは、女川原発訴訟運動や
大崎市焼却工場で一般ごみと放射能被災ゴミを
いっしょに燃やすことに反対する住民団体など、
仙台周辺地域で活動を続ける七団体である。
これらの団体の力で実現した記念すべき
”子ども脱被ばく裁判支援”共同のデモ行進
であった。
高裁前には傍聴券を求めて100名弱の人々が
列に並んだ。
裁判後の記者会見・報告集会で、
弁護士たちが今後の裁判に対する見解を述べた。
民事裁判控訴審では、即日結審してしまう短縮傾向
が続くが、そうした懸念の中で、
控訴審に対する、弁護団の用意周到な準備書面が
功を奏し、石栗裁判長は審査を急ぐ様子はなかった
という報告に希望を持った。
今後は証人尋問を予定し、
①毒性学会からの証言
②不溶性放射性微粒子に関する証言
③内部被ばくに関する証言
を準備していく。
裁判に限らず、内部被ばくの危機感を一般市民の間に
広めていきたいと弁護団の考えが伝えられ、
第二回控訴審は2022年2月14日に決定と報告された。
現在の学校現場の教育安全衛生法には、
鉛やベンゼン、騒音などの数値規制があるが、
放射能は規制されていない。
だから原発事故後文科省は、
4月9日に福島の子どもたちに入学式出席の案内をし
学校に呼び戻し、避難した子どもたちが再び自宅に
帰り、被ばくさせられた事実がある。
控訴審では内部被ばく、低線量被曝を問題にし、
医学、疫学、毒物学会など
専門家の証人尋問を認めさせた。
子どもの命、未来を守るため
日本初の裁判に注目し、
支援の輪を広げたい。
