先週、義兄と「我々の子供の頃と較べ、今はほんとに裕福な世の中になったものだ」と話しました。
義兄とは同い年で、ともに戦後の食糧難の時代を過ごしました。
子供の頃は今と較べると貧しい食事で、四六時中お腹をすかしていました。
三食お腹いっぱい食べれるなんて、夢の世界でした。
住居も狭く、家族が身を寄せ合うように暮らしていました。
「一戸建ての家」に住むなんて言うのは、夢のまた夢でした。
いまは多くの若い人たちが一戸建て住居を手に入れています。
そういう意味では今の日本の暮らしは、我が子供の頃の夢が現実のものとなっています。
しかし「物心両面」という事から見れば、「物」の面は現実となりましたが、
「心(精神)」の面となると、はなはだあやしいと思います。
それどこらか、「心の豊かさ」という点では、むしろ貧しくなっているようにさえ思えます。
「物の豊かさ」を追うのではなく、「心の豊かさ」こそ、いま追い求めるべき時だと思えます。