この時期になると、我が部屋に時折クチナシの甘い香りが風に乗ってやって来ます。
夕方、隣りの棟まで行って花を頂いて来ました。
花瓶に生けて本棚に置いてみましたが、独特の甘い香りが部屋中にひろがり、なんとも悩ましい雰囲気です。
渡哲也が歌った「くちなしの花」が大ヒットしたのは昭和47~48年頃でした。
当時私は二十代のなかばで、歌にあるような男女の恋に強く憧れを抱いたものでした。
それから四十数年がたって当時を思い返すと、懐かしさに加え、後悔や恥ずかしさが入り混じった複雑な気持ちになります。
傷むのが早い花なので、今夜一晩はそんな感傷に浸っておきましょう。
