今日の父は血圧・脈拍・血中酸素など、いずれも手術前のレベルに戻りました。
手術直後は足が痛くて、「手術したのに何で痛いんだ」と文句を言ってましたが、
今日はもう足の痛みもないそうで、安心した穏やかな顔をしていました。
手術を目前にした一昨日の夕方のことですが、めずらしく父が私を手招きで呼びました。
「みんなにお礼を言うといてくれ。 長い人生だったけど幸せやったと伝えてくれ。」
(私)「わかったよ」
「今晩あたり、お迎えが来てくれんかな~」
「先に逝ったバアチャンはいいな~ 何で俺だけ最後になってこんなに苦しむんやろ」
(私) 「バアチャンも最後は人工肛門で苦しんだよ!」
「あっそうやったな~怒られるな~」
父と私は顔を見合わせて笑いました。
父とまともに顔を合わせ、しかも笑顔でというのは生まれて初めての経験です。
おかしなことですが、本当です。
なぜかお互い妙な対抗意識があって、ずーっと目を逸らせたままで今日まで来ました。
これが最期かもという場面になって、初めてわだかまりなく顔を合わせられました。
なんか馬鹿みたいでしょ!自分でもそう思いますから、他人とくに女性には理解できないかもしれません。
オス同士はこんなもん!と勝手に決め込んでいます。
いずれにしても、父が望む「お迎え」はその日の晩には来てくれませんでした。
きっと死んだバアチャンが、「修行が足りん!」と怒っているんだと思います。(笑)