「人を生かすのは、ほめてくれる友人」:外山滋比古 | おやじの絵日記

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後期高齢おやじの絵日記です

この本、ご同輩諸氏にお薦めします

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表紙にあるように「知の巨人」と言われる著者ですが、軽妙で読みやすくかつ我々世代に示唆に富んだ本です。

なかでも「ピグマリオン」という章が面白かったです。

「ピグマリオン効果」というのは教育分野の言葉で、「ホメることで学力が伸びる」ことをいうそうですが、

これとよく似た調査結果を、北欧の社会学者が「老人はいつ死ぬか」という調査で示しているそうです。

それによると高齢者の死亡率は、その人の誕生日の一か月ぐらい前から急激に下がり、誕生日を過ぎるとまた死亡率が上がるんだそうです。

それは、老人にとって誕生日は注目され褒められる日なので、その事が元気と活力をもたらすんだといいます。

だから老人になると、「褒めてくれる人」をたくさん作ることが、生き生きとした日々を送る秘訣だと言ってます。

しかし家族や元同僚や同窓生という、いわば賞味期限が過ぎた仲間は、今更ほめてくれるなんて事は期待できない。

したがって年をとったら友達・仲間を新しくする、できれば利害関係がなく、違った経歴の人がいいといいます。

違った人生を歩んできた人たちと、お互い知らない事を聞いたり、また話したりすると、不思議に活力が蘇るといいます。

筆者は、「人を生かすのは、ほめてくれる友人」だと結んでいます。

私の経験からいうと、新しい仲間や友人を作るのは云うほど簡単なことではないですが、

少しの勇気をもって新しいところや仲間に自分で一歩だけ踏み出せば、意外に難しいことではないと思います。