表題の「海鳴りの詩」の著者:村城正さんは、父がお世話になっている社会福祉法人「あすなら」の理事長です。
私も父がお世話になる時に何度かお会いした事があります。

長く生協に関わって来られた方ですが、57歳から小説の勉強をされ、昨年この本を出版されました。
内容は終戦間際に海軍に召集された3人の男性と、その三人に関係する一人の女性の戦争体験とその後の人生が描かれています。
実話に基づいたフィクションということですが、戦争によって翻弄された主人公たちの人生を通して、
現代人が日常の生活の中で忘れてしまいがちな、戦争の「非人間性」を強く訴える内容になっています。
著者は、戦後70年経ったいま再び戦争が出来る国にしようとする動きに、強い危機感をもってこの本を世に出したと言いいます。
著者とは年代が近いうえ、実家のある奈良の「きたまち」付近が頻繁に出てくることもあり、強い共感を感じながら一気に読ました。
社会福祉分野や出版分野でこれほど強く現代社会に働きかけが出来る著者に敬意を表します。