先日いま評判になっている本、「一〇三歳になってわかったこと」(篠田桃紅著)を読みました。

私の父も満99歳で、日常の生活では、何かと私と衝突することが多く、
「何か上手くやって上で参考になれば」という軽い気持ちで読み始めました。
しかし著者は日本よりむしろ海外で著名な芸術家で、私の当初の意図はまったく的外れで、
むしろ、私のこれからの人生に大変刺激になりました。
常々私は「仕事も終わったし、子供たちも一人前になったので、いつ死んでもいいわ」と周囲に漏らしています。
ところがこの本の帯には、「いつ死んでもいいなんて嘘!」とあり、
「生きているかぎり、人間は未完成!」と書かれています。 それも百歳を過ぎた人がですよ。
大変興味がありその章を真っ先に読みましたが、「目標としているものがまるで違う」という印象です。
著者は芸術家ですから、(年齢に関係なく)常々より高いレベルを目標として来られた方です。
それに対し私は勤め人として人生を歩んできました。
目指したのは、「よりいい生活のために、いい学校に入り、そしていい会社に入る。」でした。
したがって、無事に定年退職をしたら人生はそこで完了で、後は余生(付け足し)でした。
今まではそう考えていました。、しかし人生ここにきて少し変わってきています。
「どうもそれはちがったな!余生にしては長過ぎるし、惰性で生きるのは面白くない!」
「せっかく生きているんだし、ゴールの瞬間まで走り続けるような人生にしたいな!」
遅ればせながらですが、この頃はそう考えつつあります。
そういう意味で、大変刺激となった篠田桃紅さんの本です。