孫のカンタ君は「やりたがり屋さん」です。
とにかく何でもかんでも、「カンカンがやる!」とやりたがって、時々失敗をします。
今日もジイジに扇子を無理やり開いて、「ポッキ」と折ってしまいました。

実はカンタ君はまだ「ごめんなさい」がちゃんと言えません。
何か失敗をすると、そーっとそれを隠すか、黙りこんでしまいます。
以前から気になっていたので、扇子が壊れたこの機会がいいチャンスでした。
「カンカンだけでなくて 失敗はみんなするんだよ だから扇子が壊れたことはいいんだよ。」
「大切なことはね、ちゃんと『ごめんなさい』とあやまることが大切だよ。」
「いちばんダメなことは、黙っている事とウソをつく事だよ。」
しかしカンタ君は、じーっと長い間黙ったままでした。
そしてジイジが「もういいよ」と言うと、バアチャンの所に走って行きました。
そしてバアチャンに何か言われたようで、
しばらくするとやってきて、「ジイジ ごめんなさい」とはっきりとした声で言えました。
それはカンタ君がすこし成長したように思えた瞬間でした。