先日久振りにお会いした元上司から薦められた本を図書館で借りました。

著者の佐々木さんは元東レの役員で、同社経営研究所の社長をされた方です。
その経歴よりむしろ自らの家庭と仕事に関わる熾烈な体験を綴った著書で、ビジネスの世界で広く知られる方です。
お子さんの自閉症や、奥さんの病気・うつ病・自殺未遂等、まるでドラマのように次から次に起きる出来事。
折からの繊維不況のなかで、会社から次から次と課せられるミッション。
その狭間でなんとか両立させようと必死にもがいた人のドラマです。
私は著者と同じ業界に所属していましたし、しかも年齢もほぼ同じですので、この本の書かれた時代をそっくり共有しています。
したがってまるで自分が主人公のような不思議な感覚でこの本を読みました。
佐々木さんの場合は、ご本人の超人的努力でハッピーエンドで終わりました。驚嘆と敬服以外の何ものでもありません。
しかし佐々木家の場合もそうだったと書かれていますが、私の同僚も含め多くの人達(戦友)は家庭崩壊という状況に陥り、戦列を離れていきました。
それを想う時、こからの日本の社会(会社)も、もっともっと懐の広い、弱者に優しい社会(会社)を目指していく必要があると痛感します。