先日奈良の纏向遺跡の発掘現場で行われた現地説明会に行ってきましたが、
ひょっとして卑弥呼がいたかもしれないという、その現地に立ったことで、
にわかに私の中で「邪馬台国」がブームが起きています。
いま読んでいる本です。

私は奈良県人なので、邪馬台国は奈良に存在して欲しいと願っている一人ですが、
この本を書いた若井敏明さんの説はその逆で、九州説を出張されています。
邪馬台国に関する本はそれぞれの立場で数多く出版されていますが、
この本のユニークな点は、今までは信頼性に欠けるとして無視されてきた、「古事記」・「日本書紀」を詳細に読み解き、そこから邪馬台国の場所を推論している点です。
今までの邪馬台国議論は有名な「魏志倭人伝」に基づいてのみ議論されてきましたが、位置の記述に矛盾点もあり、こんにち決定的な結論には至っていません。
しかし最近になり、纏向から大規模な建物跡や遺物が出土し、にわかに畿内説が有力になり、「邪馬台国は纏向で決まり」のような雰囲気が感じられます。
しかし著者は日本の最古の歴史書である、「古事記」・日本書紀」を詳細に読むと、
邪馬台国は九州北部にあった勢力で、その勢力を大和政権が征服し、全国を統一したという事が年代も含め詳細に見えてくると主張しています。
そして纏向は邪馬台国ではなく、大和政権の中心地だったと主張されています。
奈良県人の私ですが、読んでいて実に明快で素直に受け入れられました。
纏向の発掘を含め、この論議がますます楽しみになりました。