この本は橋本武さんという、灘中学校の国語の先生に関する本です。
知っておられる方もおられると思いますが、橋本さんは中学校3年間の国語の授業を「銀の匙」という文庫本1冊で行われた方だそうです。
そのスタイルを教職にあった30年間続けられたそうですが、高度経済成長が言われた時代に全く逆のスタイルでしたので、ご本人は「結果が出なければ、責任はとる。」と覚悟を決めて、始められたそうです。

そして結果は、当時はまだ無名に等しかった灘中学校でしたが、教え子達が灘高を卒業して次々に東大や京大に合格して、一躍有名進学校となっていきます。
そんな中においても、「スピードではなく、子供たちが興味を持った事を、自分の力で学んでいく事を教える」授業は続けられ、
多くの人材がその教室から育っていったそうです。
本の表紙の写真を見ただけでも、橋本さんの人柄がしのばれます。
私もこんな表情の子供達を育てるために何かできればと思います。