4月1日付で異動になるパワハラ上司。
この人は、1年前、体を壊して療養後復帰したのが私たちのセクションでした。
転入前の仕事と私たちの仕事では業務自体が異なり、こなす手順に戸惑うことも多かったであろうと想像します。
異動してきた職員は、係長であれ課長であれ、業務全体を把握するのに少なくとも3ヶ月はかかります。
それは仕方のないことですし、チームとしてボスを支えるのは当然のことです。
しかし、この上司は最初から全く仕事の内容を理解しようとはしませんでした。
このセクションを馬鹿にしているからです。
即戦力ではない、花形部門ではない、地味な仕事で前向きでないなど理由を並べ立てます。
そして、自分はマネジメントが仕事だからいちいち細かい内容は知らなくて良いとのスタンスです。
しかし今日のやり取りで、気がついてしまいました。
仕事の段取りが飲み込めず最初から努力することを放棄し、都合の良い部分だけ関わってマネジメントなのだと主張していることを。
部下に出す指示がわからないので、わからないことを知られるのが怖くて、パワハラを行っていること。
T子の不始末を苦笑いで済ますのは、彼女に対してだけは優位に立てるからです。
まるで、T子を守ってやるのは俺しかいないと言いたいかのようです。
彼女の方が一枚上手で、立場を上手に利用しているだけですが。
パワハラ上司の自信のなさに確信をもった出来事は、次のようなことです。
あるお客様の発注に対して、取引先の仕入れと当社の工場の工程をたて、先方に提示しました。
仕入れ先と工場のスケジュールをなんども確認し、部内で検討を行い、先方にいくつかのスケジュールを提示したのです。
しかし、仕入れ先と工場との連携が上手く取れておらず、そのスケジュールの一部が提示した通りにならないことがわかりました。
仕入れ先もお客様ですから、デリケートな問題です。
しかし、仕入れ先が恐縮して発注先に謝りに行っても良いと言ってくれたのです。
私としては、受注した当社と仕入れ先担当で説明に行くのがベストと判断し、パワハラ上司に相手先の面談スケジュールを確認してから報告しました。
「仕入れ先は行かなくて良い。俺は必要ないと思う。」
理由は?と聞く前に
「お前がそもそも工程表なんぞ渡すからこうなったんだ。あんなもん責任を追求される元だろうが」
と言い出しました。
「ともかく、謝りに行くのは、俺とお前。わかったな!」
以上です。
強気な態度でしたが、周りの様子を伺って目がきょときょとしています。
聞こえている周りのデスクからは顔を上げて、なぜ?の表情をしている同僚や他の課長の顔が見えます。
ああ、この人は去っていく最後の最後までマネジメントをしているふりをするんだな、とわかってしまいました。
この業界に20年以上関わっておられるので、昨年4月に直属の上司になった時、学べるものは学ぼうと思っていました。
時々、理不尽なことを言われたり、されたりしても、何か理由があるのだろうと悶々としていました。
でも、違った。
自分の知識の無さ、経験のなさを知られるのが怖くて、高圧的に出ていただけなんだなと。
この人があと数日で去っていく今日、それがわかってよかった。
昨年の早いうちに気がついてしまっていたら、到底気持ちがもたなかった。
業績をあげることがプライオリティではなく、自分のメンツを保つことがこの人の最優先課題だったなんて。
1年で去ってくれてありがとう。
転勤先では自信を持って(威張り散らせる)業務だといいですね。