明日は七夕だわ。
車中のあなたに手をふった後、あなたの車のエンジン音を聞きながら、ふと思い出した。
正確に言えば、今日が七夕だ。
携帯電話の時刻を見ると、日付がかわってから1時間ほどたっていた。
マンションのエントランスのオートロックを鍵で開けながら、七夕の前日にあなたに会えてよかったと思った。
さっき、あなたの車に乗り込んだとき、雨が降り出したから。
「この車、潮風を浴びたから、雨が降ってよかったよ」
と言うあなたの声と雨の雫をはじくワイパーの映像が、私の中でリピートされる。
七夕は雨なことが多い。
七夕のストーリーを思い出すと、雨が降るとちょっぴり切なくなる。
同時に、織姫のように、自分も大好きな人と会えなくなったらどうしよう、とちょっぴり心配になる。
あなたと別れると、いろいろなシーンが自分の中で再生される。
まずは、フラッシュバックのように、瞬間的なシーンが次々に。
待ち合わせ場所に現われたあなたの姿。
海に向かう細い道。
浜辺で横たわっているあなたの足。
あの時の空。
きれいにカットされた清潔な爪。
あなたの手の温かみ。
オークレーのサングラス。
私の大好きなあなたの香り。
あなたの胸の丘。
笑顔。
そして、その後、映画館で観るワンシーンのようにゆっくりと映像が流れる。
時間の経過は関係なく、思いついた映像がランダムに。
シーン1。
「あなたのこと、持って帰りたい」と甘えてあなたに抱きつく私。
連れて帰りたいとか、連れて帰ってほしいとは、敢えて言わない。
愛しくてなんだか家に持って帰りたい気分なのだ。
あなたは困った顔で笑っている。
「今一緒にいるでしょ」って。
違うの。
「明日の朝、一緒に眠りからさめたいの。同じベッドで一緒に夢をみたいの」
「僕は君のぬいぐるみみたいだね」
あなたはやれやれといった顔をしている。
シーン2。
「今日はどこでご飯食べようか。君のパソコン使わせて。レストランを探してみよう」
と言いながら、冷蔵庫を開けるあなた。
「ごめんなさい、ビールはないの。ワインか飲みかけのシャンパンがあるわ」
私はバスルームでメイクを直しながら、返事をする。
あなたの様子は見えない。
「ワインより泡系の方がいいかな。食前酒だね。じゃあ、いただくよ」
という声が聞こえたので安心してアイラインをひく。
ルージュはひかないでおこう。
たぶん同じグラスでシャンパンを飲むだろうから。
シーン3。
高速道路はほとんど直進だ。
ハンドルをきることもなく、まっすぐ前方を見て運転しているだけなので、退屈になったあなたの左手は私の右手を握る。
「眠いの?手が温かい」
私の手を握って笑うあなた。
「正解よ。眠いわ。助手席に座るとなぜだか眠くなるの」
「赤ちゃんみたいだ。子供は眠くなると手が温かくなる」
あなたは愛しい子供にするように、私の手をずっとさすっている。
時々車線変更をする。
そのときは、手を離すのだけど、一瞬ハンドルを握ったあなたの左手がまた私の右手に戻ってくる。
「まだ、温かい。眠ってもいいんだよ」
と言いながら、つないでいた手を離し、今度は私の頬を撫でるあなた。
にゃあん、と言いたくなるような心地よい感触。
私は子猫になったような気分で目をつぶってやわらかいあなたの手を感じている。
シーン4。
「何が食べたい?今日は二人ともカジュアルウェアだから、フレンチやイタリアンって感じじゃないね。焼肉、豚しゃぶ、、、中華料理・・」
そう言いながら、インターネットでレストランを検索するあなた。
お昼ご飯を抜いた私は、普段よりおなかがすいている。
それなので、「今日は焼肉の気分だわ」と即答。
でも、待ってよ・・・私たち、さっきダイエットの話題をしていたばかりだわ。
すると、あなたが言う。
「いや、焼肉はだめだよ。太ってしまう」
「あら、以心伝心」私は笑う。
あなたの上に座り、二人でパソコンをのぞく。
「ほら、このあたり、焼肉食べたらやばいよ」
私のおへそのあたりをさわって笑うあなた。
「欲を抑えると、その欲は違うエネルギーにかわるらしいの。焼肉欲を抑えましょう」
と、私は真顔で言う。
あなたは何も言わず笑っている。
私は心の中でつぶやく。
「あなたとキスがしたい欲は抑えられないかもしれないけど」
シーン5。
あなたが予約したレストランに向かう。
「紹興酒飲める?」
「ううん、紹興酒は嫌い。あの香りも生温かいのも嫌」
「いい飲み方があるんだ。きっと気に入ると思う」
「うーん、どうかしら。いつもにおいをかいだ時点で、『だめ』って拒否しちゃうもの」
「大丈夫。まかせて」
「そぉ?じゃあ、あなたにおまかせするわ」
ワインがいいな、と思ったけれど、あなたの提案を受け入れる私。
紹興酒と氷とレモンをオーダーするあなた。
はじめて口にする、アイス紹興酒。
「まあ、おいしい。こんな飲み方があったのね。これなら私も飲めるわ」
「僕は紹興酒が好きなんだ」
「私も今日から好きになったわ」
「もっとレモンを入れるといい」
レモンをもう一枚私のグラスに入れてくれるあなた。
あなたの好きなものは、もしかしたら、全部好きになれるのかもしれない。
シーン6。
「焼肉でなくてよかったわ」
コース料理を残してしまった私が言う。
「甘いものなら入るでしょ。僕のマンゴープリン食べていいよ」
と、あなたのおなかも大満足の様子。
「あのあたり、ちょっと散歩してから帰ろう」
レストランの窓から小さな公園が見える。
「でも12分以上歩かないとカロリー消費できないのよ。あの公園は小さすぎるわ」
「じゃあ、その小さい公園を二周りして、13分だけ散歩しよう」
私たちは、重い下半身を軽快にするために、夜の公園へ向かう。
「エレベーターで降りる?それとも階段?」とあなた。
「階段にしましょう。さっきのおいしいお食事のカロリーを消費しなきゃ」と意気揚々と階段を選ぶ私。
外に出ると、館内よりも人気がぐっと減る。
私たちは、手をつないで歩く。
13分間だけ。
シーン7。
バスルームから出ると、あなたの香りがする。
あなたと会った晩、私の髪に残る心地よい香り。
「いい香り」
うっとりした顔で私が言う。
シーン8。
レストランの予約時間を私は知らない。
あなたにすべて任せて、館内の店をあちこちのぞく。
最後に向かったところは、予約したレストラン。
店に入って「7時45分に予約していた者です」と給仕に言うあなた。
しばし、レストランのエントランスで待つ。
「ねえ、今何時なの?」と私が聞く。
あなたは腕時計を見て「ジャスト。7時45分だよ」
あなたの時計が目についた。
今日一日一緒にいて、あなたのその素敵な時計に気づかなかった。
「時計、素敵ね」
と言いながら、人任せっていうのもいいわ、と思う私。
予定通りに私にご飯を食べさせてくれる人。
一分も無駄がなかったのが素敵だな、と思う。
こんな人に支配されてみたい、と久しぶりに思う。
シーン9。
あなたとのキス。
あなたとのウェッティなキスが好き。
そろそろ映画館は終幕。
観客が眠くなってきたからね。
深紅のビロードのカーテンがひかれ、巨大スクリーンは閉じられた。
私は夢の世界へとひきこまれていく・・・
今宵、七夕前夜、あなたは同じベッドにいないけれど、恋の余韻を感じながら眠りにつく私は幸せなのかもしれない。
私は多くは望まない。
明日は雨が降らなければいいな、と思う。
私は現実から夢の世界に続く空間をさまよいつつ、心の短冊に書きこんだ。
織姫と彦星が会えますよう・・・
大好きな人と会えますよう・・・
私もあなたとまた会えますよう・・・
THE END Written by 鈴乃@Akeming
【 The Star Festival 後記 】
自分が書いたお話読んで、恋っていいなーといつも思う(笑)
愛じゃなくてあまーい恋
ちょっとしたことで世界が薔薇色になっちゃう恋
七夕をネタに、そんな恋の素敵な1シーンを描いてみました
そう
The Star Festival って七夕のことなんです
今年の七夕はどんな願いを短冊に書きました?
私は心の短冊にしっかり書きました
「あなたがほしいです」って((-m-)ぷぷっ)
うそです(笑)
この記事は、一応バースディ記事
というのは、海を愛する私に、バースディということでお友達がつきあってくれたから!
プレゼントもいただきました![]()
大好きな海!! → ショッピング(プレゼント~~~) → ディナー
ストーリーは妄想入ってますが(笑)
さあ
お話に出てきたレストラン
チャイニーズとはいえ、さっぱり目の味付けでよかったです
ダイエット中ゆえ~(>▽<;; アセアセ
ここのコース料理は、前菜から一品、他4品プラス麺かライス、最後にデザート
前菜はチャイニーズ???って思うような一品をオーダー
クラゲや叉焼、バンバンジーの盛り合わせが普通なのかもしれないけれど、私たちはさっぱりと・・・
その他の4品は、お魚を蒸したもの、空芯菜の炒め物、海老チリ、春雨と挽肉の炒め物(めっちゃおいしかった!)
炒飯に春雨の炒め物をかけたらおいしかった!












