彼が黙って、四角い封筒を指し出した。
開いてみると
「演劇祭で、優勝🏆した時の、一場面の写真を、君の彼女に渡しそびれ、ずっと持っていました。彼女に渡してください」
と書かれた文面と、一枚の写真が入っていた。
知らなかった・・・
こんな写真が残されていたなんて・・・
当時、まだ二十歳代の私は、演劇に燃えていた。
学生の頃、役者になりたくて、ある芸能プロダクションに、熱心に通い続けたのに、講師陣は現役の俳優だったのに・・・
事もあろうか、そこはインチキプロダクションだった!
という苦い経験があっただけに、
採用された
その職場がレベルの高い、演劇サークルがあると聞き
我れ先にと入部したのだった
熱い思い入れがあった、その場面
その時の私を、こんな形で見られるとは夢にも思わなかった。
感激と懐かしい回顧が、脳裏を埋めていた
そんな私を黙って見ていた彼が
何を血迷ったのか
突然?
二人で、劇場を作ろう❗️
と言い出した。
「エッ❓」
私は唖然と、彼を見た。
おまえには、それが一番似合っている
人形劇場をやろう!
物語を書いてくれよ!✍️
その人の後を、俺が引き継ぐ!!
その人の、素晴らしい手紙といい
センスあるカメラ📸アングルといい
彼が、ビンビンに感化された事は分かる
ただ、畑違いも甚だしいではないかい❓
と、アングリと彼を見た。
なんとなく
又
突拍子も無いことが
起こりそうな
予感がした
つづく