突然のお手紙失礼します。



突然に故郷に帰ることになり、この3年間充実した、又大変楽しかった日々を、共に過ごさせて頂いた事を感謝します。




私には余命僅かで、その生が絶たれるまでずっと寄りそう事を誓った彼女がいました




先のない結婚生活をも見据え、精一杯彼女の為に努めることを、自分の使命だとずっと思っていました。




そんな最中に、君の彼女が、我が職場に配属されて来て、私が力を入れていた演劇サークルに飛び込んで来ました。



彼女は不思議な魅力と、不可解な多面性を合わせ持ち、かってお目にかかった事のないようなタイプの人で、最初は興味津々でした




サークル仲間としても、どんどん頭角を現し、いろんな事に協力的で頼もしい限りでした




その頃、日毎に弱っていく、彼女への心労が次第に重なりメンタル面で弱っていたこともあってか、




次第に、君の彼女に心が奪われていき始めました。




そんな内心を、誰にも悟られないように努めはしていましたが、君の彼女への意識は深まる一方でした。



幸い、君の彼女は天然なところが多分にあり、全く気付かずにいてくれていたので、一方的な片思いとして、一緒にいる時は大変癒されてきました




と同時に、自分の出来うる事は、君の彼女の為に全力を尽くしたいと、陰ながら努めてきました。



君には伝えておきたかった正直な気持ちです。



君という素晴らしい人が、今彼女に付いてくれている事を心底、嬉しく思っています



まだまだ若い君には、これから先、いろんな道が、開けたり、又塞がったりと、起伏ある人生と向き合う事も、多々あると思いますが



初めて会った時に感じた、君のその純朴な又深い思いやりの心根、そのくせ、半端でない、実直過ぎる心意気、



少し心配するのは、彼女と衝突した時、お互いが、自分の意思を曲げずに、突っ走る傾向があり、ファッとかわすことができない点かな、と思います




以前君は、自分は、コンプレックスの塊だと言ったけど



誰だって、コンプレックスは持ってるさ、ただそれすら気付かない、傲慢な奴よりはよっぽど、人として価値があると私は思う






もし、詰まる事があれば、いつでも言ってきてください。



少なくとも、君よりは長く人生やってるから、少しはたしになれると思います





事情で、故郷に帰ることになり、心の整理の為にも、勝手な思いですが、最後を彼女と共に締めくくりたく、君には悪いと思いながらも、その1日を過ごしました。



正直、君という存在がなければ、最後まで彼女との距離を保つことは、無理だったかもしれないが、お互い、距離を縮めることなく、別れを遂げました。



               



君に出会えたこと、本当に良かったと思っています





心から            ありがとう          




又  いつか二人に会える事を、楽しみにしています。







                                                    敬具