手作り石鹸を売ってみてはというお話を頂きました

ありがたい事です

私の作る石鹸は
「自分が使ってみたい石鹸作り」
が基本です。

原価を考えず、好きに作って好きにお渡ししている分にはいいのですが、お金を頂く、という事は、責任も発生する事だと思います。
何より、私程度の腕でお金を頂いてもいいのかと思ったりもします
とても綺麗なデザインの石鹸を作っていらっしゃる先輩ソーパーさんが、沢山いらっしゃるので。

質の良い石鹸をいくつか作って、「欲しい」と言って下さる方にお売りするのも、素敵な御縁かなと考えていますが、手作り石鹸は「使えるまで」の期間が長いんですよね

作成自体は2時間もあれば出来るのですが、保温に1日、熟成に1ヶ月(自分で使う分には4週間、人に差し上げる分には6週間)はかかってしまいます。


石鹸の製造法は、大きく分けて二つあります。

  中和法
   鹸化法

『鹸化法』は、更に『釜焚き鹸化法』と『コールド・プロセス製法』と分けられます。

石鹸を作っているソーパーさんは大抵『コールド・プロセス製法』で作っています。
そして「手作り石鹸が素晴らしい」と言う理由は、この製造方法にあります。

 中和法

油を脂肪酸とグリセリンに分解してグリセリンを取り除き、残った脂肪酸だけを苛性ソーダと反応させて石鹸を作る製造方法です。
メーカーが作る石鹸のほとんどは、この方法で作られています。
メリットは、短時間で作れ、効率が良く経済的で、長持ちする石鹸が作れる事。
デメリットは、製造過程で保湿成分としてのグリセリンをすべて取り除いてしまう事。
洗い上がりを良くする為に、後で保湿成分を加える必要があります。
最初の段階で取り除いたグリセリンは、別の用途として利用されています。

 釜焚き鹸化法

大量生産の無添加石鹸や石ケン素地に使用される方法で、油と苛性ソーダを合わせ、加熱・攪拌して鹸化させます。
そこに食塩を加えると石鹸の分子が集まり、石鹸以外の物質は塩とともに沈殿します(塩析といいます)。
塩析は無添加石けんの大量生産に向いており、グリセリンが多少残るので「純石けん98%」という表示で売り出されています。
メリットは、溶け崩れの少ない固い石けんができ、コールド・プロセス製法より完成が早い事。
デメリットは、加熱する事で油の酸化が進み、塩析で必要以上のグリセリンやビタミンやミネラルなどの不鹸化物が取り除かれてしまう事です。

  コールド・プロセス製法

40度前後の低温でゆっくり鹸化させる方法です。
メリットは、原料の油やグリセリン等の有用成分をそのまま石鹸にとじ込める事が出来る事。
デメリットは、1ヶ月以上の熟成が必要な事や、湿気に弱く溶けやすい事。要は、手間暇がかかってしまうって事ですね。


家庭で手作りする石鹸の良さは、天然グリセリンが残っている事や、鹸化率を100%にしない事で、お肌に良い原料の成分を残せるところです。
既製品には無いこれらの効果が、洗い上がりの肌をしっとりすべすべにしてくれるんです。

見た目が綺麗な透明石鹸にも思わぬ落とし穴があります。
大概の固形石鹸の原料として表示されている『石ケン素地』。
透明石鹸は、『釜焚き鹸化法』で作った石ケン素地に、グリセリンや砂糖・エタノールといった、石鹸を透明にする成分を加えて攪拌して作ります。
塩析に使う食塩や、グリセリンや砂糖は肌に対しての効果があるので良いんですが、エタノールを使用するというのがネック。

エタノールには収れん効果や防腐効果がありますが、肌に合わない人も多い刺激成分ですよね。
化粧水に配合されている時には敏感になって避けている方も、まさか石鹸を透明にする為に使われているとは思っていないと思うんです。

私はそうでした…化粧水に含まれるエタノールは、季節の変わり目等の敏感になっている時は反応してしまうので避けていましたが、透明石鹸に対してはノーガードでした。

とはいえ、グリセリンもアルコールの一種なんですよね。
学生の頃から化粧品の成分に対して興味を持っていたら、もっと化学の授業も楽しかったのではと思ってしまう今日この頃です