世の中には良い気付きと悪い気付きが、ございますが趣味の、お着物に携わっていますと良い気付きが多くあります。
それは、お着物を着る時点から、礼儀作法がはじまります。
お着物特有の、礼儀作法など身につく良い気付きが、たくさんあります。
この礼儀作法の礼儀というものは、武士道の精神からきているものです。
そして、武士道という本を著した作品に、このテーマについて執筆されていますが、
この本は、1984年から2007年までの間、五千円札の肖像画になられていた
新渡戸稲造にとべいなぞうさんです。
もう新しいお札が発行されつつありますが、現在の五千円札の樋口一葉さんの前の方です。
武士道は武士の道徳観や価値観です。
武士道の本には、礼とは、他人の気持ちに対する思いやりを目に見える形で表現することであると書かれていますが、
礼儀を重視する事や、相手を尊重する行いは日本人の精神の根本にある価値観になると思うのです。
新渡戸稲造さんの、この素晴らしい武士道という作品は、執筆から120年ほど経過した現在でも、世界で読み継がれているようです。
日本人には宗教が無い、道徳をどうやって学ぶのかという思いから執筆された作品でもあります。
進化した西洋文化がたくさん流入される文明開化の時代に、新渡戸稲造さんは、
日本人のモラルを疑問に思い、武士道の精神について、一心に執筆されたのですね。
新渡戸稲造さんは9歳の頃、英語を学び、1877年に札幌農学校に入学します。
1883年に、また上京して英語教師になり、
その後、東京大学に入学されますが、東京大学は翌年に中退します。
アメリカとドイツに留学し、経済学や農政学、英文学などについて学びはじめるのです。
さらに札幌農学校の教授になり、教育者としての資格も、もっておられたようです。
勤労青少年のための夜間学校遠友夜学校を、私財で設立しています。
その後、京都帝国大学や東京帝国大学などの教授として、後進の育成にあたっていたそうです。
また国際連盟、太平洋問題調査会の理事長など、世界平和につくした国際人として、日中、日米の関係悪化のため、かけ回って改善を尽くしておられたそうです。
そして新渡戸稲造さんの著した、英語で海外に紹介した義、勇、仁、礼、誠、忠、名誉を大切にする精神は、世界各国で大きな反響を呼んだそうです。
さらに日本人特有の誠実さの原点が根強く書かれていて、とても勉強になります。
ぱっと見て、ちょっと難しく読みにくいと感じましたが、自然に読める事ができるものだと思いました。
本には、自分を大切にするように家族や友達を大切に、思いやりの心として礼儀の最高の姿はマナーであるという意味の言葉の思いを著されています。
マナーは愛という言葉で表現し真の礼儀は、相手に対する思いやりの心と、伝えられていますが愛という言葉は、世界各国に広めた事により、
さらに、海外の方にも、わかりやすく伝えておられたのです。
礼儀作法は、先人たちが育まれた生活の知恵を、習得する事、学ぶ事は、
いつの時代も変わらず人として、とても大切なことだと、あらためて考えました。
そういう作法も、お着物にかかわらず日本には、たくさんの素晴らしいマナーや、
しきたりが、あります。
海外から日本に向けて武士道、礼儀作法は、長い間称賛され、
その意味にも奥深さが、あります。
礼儀作法は、無理せずに自身ができる相手や周りの人たちに対しての気持ち、
もしくは心の作法なのではと思いました。