バリの幸福論

旅に出ると日本で当たり前になっていた価値観が正しくなかったり
考え方や習慣までもその国の視点に近づけて生活することで見えてくるものがある。
バリ旅行ではアヤナという高級リゾートに泊まっていたので
お姫様のようなサービスを受けて、リラックスして極上の日常を過ごさせてもらった。
特にすることもなく、プールサイドで暇を持て余すように本を読んだり、
1日5食出てくるクラブラウンジで好きなものを好きなだけ食べる。
部屋を出るといつの間にかルームサービスが綺麗に部屋を片付けてくれる。
何も大した肩書きもない私にホテルの人は深々と頭を下げてくれる。
ホテルの従業員はそこまで賃金が高くないようなことは伺える。
でも本当に丁寧なサービスを提供してくれ、バリの人は誠実な人が多い気がした。
バリは一部のセレブ向けのリゾート地を除いては住居も質素で
旅行産業や農業や漁業で成り立っているようなもので
私達が毎日戦士のように利益を追求し続けるコンクリートジャングル東京とは大違い。
エステまでの送迎をしてくれたタクシーの運転手さんは
こないだ結婚したばかりの新婚さんらしく、結婚式で30万ぐらいを使ったばかりだし、
妊娠した奥さんとこれから生まれる子供のために残業代も微々たるものだが
毎日ペットボトルのジュースを買うのも我慢して仕事に励んでいると言っていた。
一家の大黒柱という責任重大な立場になって大変ながらも、
それでも自分の洗濯者をたたんでくれる妻のいる結婚生活が幸せだと言っていた。
なんだか、バリではお金と幸せの充足感は比例しないように思えた。
もちろん飢えるほどの貧困では不幸だが、最低限の生活ができる収入があって
家族がいて仕事があって友達がいて健康に暮らせている生活で十分幸せということだ。
それが正論ではあるけどなかなか気づくことが難しい幸福論。
日本にいると目先のお金や人間関係や物欲など手に入れると
さらにもっと欲望が生まれてくるような心境になってしまう。
ずっとずっと満たされずに求め続けるのも息苦しくなってしまう人が多いのは、
恵まれた国だからこその悩みかもしれない。
そして気候の問題もあるのかもしれないけど、
長い間太陽を浴びていたため、気分が明るく穏やかな気持ちでいれた気がした。
自然がたくさんあって風を感じて太陽を浴びてゆっくりと過ごす時間が多いバリ人は
穏やかな性格の人が多いように感じる。気張って生きているような気がしなかった。
会社の中に毎日缶詰で太陽も風も感じない環境にいると
やっぱり心はすさむしクリエイティブにもなれない気がする。
現に太陽は脳内にリラックスを促すセロトニンを作るというしね。
太陽を浴びて、最低限の幸せに充足感を得て、リラックスする。
そんな生活を日本でも心がけたいと思う。

