夏の想い出(中編)
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中学3年の夏休み
サッカーの大会に出ているはずが…
まさかの逆転負けで
ぽっかりと予定が開いてしまった僕を
あいつが誘ってきた。
なんかさ
あいつら 浴衣でお祭りいくんだってさ。
俺達も行かないか?
悪友に呼び出されて行ったお祭りで
彼女を見て…
僕は…ドキドキしていた。

すごくかわいかったんだ…彼女。
浴衣がよく似合ってて…。
小学校の時からずっと好きだった…。
でもずっと思いを伝えらなかった。
あいつはお目当ての彼女とふたりきりになって
さっさとどこかへ消えてしまった…。
どうする…?
どこにいく?
混雑する夜店の通りをどんどん歩いた。
ただ 黙って2人で歩いた。
じゅんちゃん
話があるの…。
何?
じゅんちゃんは
誰か好きな人 いるの?

いない。
僕は嘘をついた。
じゃあ…
あたしのこと
どう思ってる?
そんなの聴いて
どうするんだ。

あたしは
じゅんちゃんが
好きだから…。
僕はきっと
耳まで赤くなってたかもしれない。
僕が先に
告白しようと思ってたのに…。
あたしのこと
どう思ってるの?
う…うん。
き…嫌いじゃない…。
そういうのが精いっぱいだった。
でも彼女は
ありがとうって言ってくれた。

僕は あのまま
すきということばを
君につたえてなかったっけ。
一緒に学校の帰りに
プリクラとったり
君はまだ携帯もってなくって
ノートを交換したりしたっけ…。
その後手をつないで
君を遠回りして うちまで送るだけなのに
僕はドキドキしていたよ…。
そして 冬のクリスマスの日
僕らは この神社の奥の公園で
キスをしたんだ。

高校受験だし
毎日塾で
学校もお休みが多くて
なかなか 会えなくなるね…。
うん。
ちょっとさびしいけど
がんばろうね。
とっても寒くって
とっても緊張して
唇が少し震えてた
はじめてのおんなのこのくちびるは
あたたかくて
とってもやわらかくって

僕は2回も
キスしてしまった。
来年またここのお祭りに
こようね。
その時は じゅんちゃんも浴衣きてね。
え…
僕 もってないよ。

約束。
約束しよう…。
じゅんちゃん。
でも
その次の夏
君とは別の高校に進学すると
サッカーと音楽の両立で
お互い忙しくなって…
そして
会えなくなって

そして
僕はお祭りに
行かなかったんだ…。