MY HOME WORK 1
私はまた同じ夢をみた。
桜の木の陰で眠るお兄ちゃん…。
缶けり鬼のオニの私は
「お兄ちゃんみっけ!」
いつも足が遅いあたしのために…。
すぐみつかるようにしてくれるんだ。
でもね。
お兄ちゃんは起きてくれなくて…
いじわる!あっ!
缶を蹴られそうになって
私は他の子を追い掛けた。
まって…。
まってよ…。
私はイライラしていた…
会いたいと約束したのも…
待ち合わせの時間を決めるのも…
全部彼なのに…
いつも必ず…私はここで
ぼーっと時を過ごすことになる。
頬杖をついて…
外を歩く家路を急ぐ人達を眺める・・・。
「もう少し…仕事できたのにな…もう!」
携帯でメールをしようとしたその時
後ろから肩をたたかれた
「あの…ここ席 あいてる?」
(たどたどしい日本語?いや…なんでためぐち?)
顔をあげると…
その人が立っていた…。
「どこもあいてないから座る…いいよね?」
「え…あの。」
確かに周りは満席でここしか席はなかった…。
彼のためにおいてあったコートをどかした。
「どうぞ・・・。」
「ありがとう…にこちゃん。」
彼はそういって座った。
今のなに?
あたしの空耳??
でも・・・
なぜか懐かしく感じた。
もう5年もよばれてないな…あたしの呼び名・・・。
私の家族しか知らないのに…
お兄ちゃんがつけてくれたんだ…。
にこちゃん…って。
きっと…気のせい。
今日みたあの夢のせい?
それとも…
ストレスでへんな言葉まで聞こえるの?
携帯をみるふりをして
相席した韓国人らしき彼をチェックしてみた…。
なかなかのイケメンなのに・・・
なぜかストローでりんごジュースをのんでいた。
それも…子供みたいに
おもわず・・・彼の行動に釘づけになる・・・。
一気に飲み干した彼は…
「ふう…おいしかった。…ごちそうさま!」
っていって
ニコニコしながら こっちをじーっと見つめてくる・・・。
(なに?)
(なんか用なの?)
やっと…彼がやってきた
正直ほっとした…。
「もう…遅い!!」
「何…怒んなよ…。」
「車なんだ…路駐してるからさ…行こう!」
彼は私の手をとって慌ただしく二人で店をでた。
なんだか不思議だった。
知らない男の人と一緒の席にいるのに…
彼は全然そのことに触れかったから。
私はもう一度振り返って
彼の車に乗る前に座ってた座席のほうを眺めた。
確かにそこに
彼はまだ…座ってた。
「ねえ…さっき あたしと相席してた男の人ね。」
「…うん…。」
(…気がついてたんだ)
「席を譲ったら… ありがとう にこちゃん!っていったの。」
「え?偶然?」
「たぶん…」
「まぢで?」
「未映のこと にこってよぶの…ばーちゃんだけじゃない?」
「そうなんだけど…。」
「たぶん空耳だよね?」
「オレ腹減った…何食う?」
「…。」
私の話に全く興味がないらしく
話はあっという間にすり替えられてしまった…。
(そうだね…きっと偶然だよ。)
そう…自分に言い聞かせた。
「またファミレス?」
「オレ…がっつりイキタイ感じなんすけど?」
「じゃあつけ麺…仁のおごりで…。」
「オレ…ビール飲むから帰り…泊まるから…」
「明日早いのに…仕事!」
「じゃあ…つけ麺やめるか?」
もう少し二人の関係を変えたいと…
もうずっと思ってる…。
なのに…
あたしは
このわがままな甘えん坊に振り回される…。
でも…
嫌いにも…
なれないんだ…。
(注)
2回めからは…
いつものように アメンバ限定です。