僕は・・・
家事は嫌いじゃないけど…さ。
新しいマンションで ジジを飼い始めたら・・・
予想外に掃除をすることが多くなって・・・。
ヌナに頼んで
留守の間に 知り合いに部屋の掃除を頼むことにした…。
一応ヌナのお店で ご挨拶をしたんだけど…
とっても感じのいいお母さんで 僕は安心した・・・。
掃除のスケジュールは
僕がヌナに渡した予定表で
都合のいい日に入ってもらうように お願いした・・・。
ある日 僕は…ひどい風邪をひいてしまって
打合せのスケジュールを 変更してもらった。
マネージャーがすごく怒ってたけど…今日は無理だ。
熱があるのか 異様に寒気がして・・・声もでない。
ベットの中で 震えていた・・・。
こんなときに肝心の薬も さっきのが 最後だ…。
すると ガチャリ とドアのかぎが開く音がした・・・。
ジジが みゃー♪ってご機嫌な声をあげて
部屋から出て行った・・・。
え? ヌナ?来てくれたの?
もうろうとしながら ベットから体を起こすと・・・
ジジを抱えて入ってきた人は・・・
僕の知らない女の子だった…。
誰?
あっ・・・!
彼女は僕がいることに驚いたようだ・・・。
誰なの?
お掃除を頼まれたものです。
今日は代理で私が掃除を・・・。
おばさんのかわり?
ハイ・・・娘です。
そうか・・・。
今日は お仕事だときいていたから・・・
ちょっと風邪ひいちゃって・・・
仕事キャンセルしたんだ・・・。
ごめんなさい…。
じゃあまた日を改めます・・・。
あ・・・まって!
悪いんだけど・・・
掃除の代りに おつかいたのんでもいいかな?
今から マネージャーに頼むより早いから・・・。
ねえ…君…
僕を助けてくれない?
風邪の薬と 食べ物と飲み物を買ってきてほしいんだ・・・。
アルバイト代は はずむからさ・・・。
わかりました・・・。
でもお金はいらないです・・・。
それに・・・もうしゃべらないほうが・・・。
のどを痛めますよ・・・。
彼女が僕のベットにちかづいてきて
そっと・・・僕の額に手を当てた・・・。
少し冷たくて…
熱のある僕にはなんだか心地よかった・・・。
すごい熱です・・・。
とりあえず冷やさなくちゃ・・・。
彼女がビニールに包んだタオルを持ってきた・・・。
これを わきに挟んでみて・・・
少しは楽になるわ・・・。
そして…少し寝てください・・・。
僕はなんだかその言葉に安心してしまったのか
それとも 薬が効いてきたのか・・・
眠ってしまったようだ・・・。
いつの間にか…挟んでいたタオルは外れていた…。
でも 少し眠ったせいか さっきより少し楽になってた。
がらがらの喉をうるおそうと
水をとりに ふらふらと起きあがった。
彼女がリビングのソファーに座っていた・・・。
あんなに俺に反抗的なジジが 嘘のようになついている・・・。
あいつもそういえば・・・男の子だったな・・・。
ふ・・・。
思わず声をだしてわらってしまった・・・。
彼女が僕に気がついて振りかえった・・・。
起きたんですね・・・具合どうですか?
うん・・・少し楽になった・・・。
お薬は 空き瓶を持って行って前と同じものを買ってきました。
あと うがい薬も・・・これすごくいいらしいです。
あと食べ物は・・・よくわかんなくて・・・適当でごめんなさい・・・。
母がもうすぐ用事がすむので・・・
ここで もやしスープ作ろうかっていってて・・・。
材料は買ってきたんですけど・・・。
もやしスープ・・・。
そう聞いた途端 僕のおなかが悲鳴をあげた・・・。
きゅるるる。
あ・・・聞こえた?
はい・・。
二人で顔を見合わせて笑った。
初対面の彼女なのに なんだか 心を許していた・・・。
おなか空いてますね・・・ふふ・・・よかった。
すこし何か食べて お薬飲みますか?
母にはもう一度…電話して早くきてもらいますから・・・。
そうするよ・・・。
君のいうことをきいたほうが
早くよくなる気がするから・・・。
僕がソファーに座ると ジジがご機嫌取りによってきた・・・。
ジジの爪には きれいな紫のカバーが ついていた・・・。
あ・・・これ!
さっき ジジの部屋でみつけたんです・・・。
爪伸びてたから…勝手にすみません・・・。
いや…助かるよ・・・。
ファンの方に もらったんだけど
この前ジジに かじられてから・・・
なんだか 無理強いするとまた やられそうでさ・・・
躊躇してたんだ・・・。
ねえ・・・
なんで ジジは こんなになついてるの?
君に・・・?
うちの母…
実は猫が嫌いなんです・・・。
ジジは子猫だから…大丈夫だと思ったらしいんだけど・・・
やっぱり ダメだったみたい・・・。
ジジもそれを感じ取ったらしくて…言うこと聞かなくって(笑)
それから…母が掃除してる間
あたしが抱いたり 遊んだり・・・。
そうだったのか・・・。
どおりで俺に冷たいはずだよ・・・。
それから おばさんがやってきて
僕に もやしスープをつくってくれた・・・。
空腹の僕のおなかは 優しく暖かく満たされていった・・・。
じゃあ・・・お大事に・・・。
もう少し寝てください・・・あと病院も行ったほうが・・・。
ありがとう・・・。
ほんとにありがとう・・・。
じゃあ・・・。
僕が彼女に会ったのは
それが最初で最後だった・・・。
ときどき・・・ジジの部屋に
お土産のおやつと短い手紙を置いて行ってくれる・・・。
それが
彼女がここに来た しるしだ・・・。
そして・・・
甘やかされたジジは
こんなにおっきくなってしまった。
僕は…ヌナに電話した・・・。
今度のお掃除っていつかな・・・。
12月24日 クリスマスイブね・・・。
あ…都合悪い?
たしか 彼女はいないはずだけど?
いや…その日でいいよ・・・。
ありがとう・・・。
僕は 彼女宛に
初めて 手紙を書いた・・・。
僕は また 風邪で具合が悪いので・・・
もやしスープを作っておいてください・・・。
この前のあの味が もう一度 食べたいのです。
あと…頼みたいことがあるので・・・
できれば…ジジと一緒にここでまっててくれない?
7時には戻ります…。
昨日は
淋しい僕とゆちょんで 酒盛りをした・・・。
ゆちょんには まだ何も話してない…。
でも・・・あいつ・・・
カンがいいからさ・・・。
明日なんか いいことあんの?
って耳打ちしてきた・・・。
酔っ払ってる俺に はかせようとしてるんだ・・・。
だから ツイッタに…
バカ❤ふふ
って意味深に答えてやった…。
翌朝 クリスマスイブのその日
僕は ジジの部屋に その手紙を残して仕事に出かけた・・・。
そして 買い物をして・・・
僕が家に帰ってくると・・・
僕の部屋に明かりがついていた…。
僕はなんだか・・・
自分の家に帰るのに
ドキドキしていた・・・。
このドキドキは・・・
何のせいだろう??
クリスマスイブに
僕を待っててくれるってことは
彼氏は いないってこと・・・だよね?
神様・・・。
僕にチャンスをください・・・。
そして
ジジより 僕を好きになってもらえるアイデアを
僕に
プレゼントしてください・・・。




