第17話
桜咲く3月になり 私は卒業することになった。
私は久しぶりに懐かしい人たちに再会した。
ゼミ長君と彼女にも・・・。
彼の性格はどうやら彼女の父親にも認められたらしく
交際は順調なようだった。
彼女は前より素敵な笑顔で彼のおかげで幸せそうだった・・・。
なんだか…輝いて見えた。
親の引いたレールではなく 自分の人生を自分でつかんだのだ・・・。
私は晴れやかな日のはずなのに…なぜか心は曇っていた。
一番会いたい人はここにはいなかった・・・。
1か月前…
彼と一緒に別宅で引っ越しの準備をして
空港まで一緒に向かった。
泣かないつもりだったのに・・・
空港で サランヘヨって言って抱きしめられたら
涙が止まらなかった。
大丈夫だよ…また会えるから・・・HANA。
そう言って彼は・・・笑顔で去って行った。
逢いたくなったら 羽田から飛行機に飛び乗って
逢いに行けばいい・・・。
そんなに遠くないはずなのに
今まで近くにいたから…すごく遠くに行ってしまった気がした。
たった1ヶ月でも
もうずっとあってないくらい心がさびしかった。
研究室で学位記をもらってみんなで
思い出話をしていたらメールが来た。
今羽田に着いたよ・・・。
卒業おめでとう・・・これから会えないかな?
私はゼミ長君カップルと一緒にホテルで彼を待った。
久しぶりに4人で話して食事して楽しかった・・・。
そして…彼女が子供ができたと衝撃発言をした。
ゼミ長君は大喜びだ…。
みんなでシャンパンを頼んで乾杯した。
あ~もうすっかり二人の世界。
私達は彼らと別れて 彼の泊まるホテルに向かった。
タクシーの中でもずっと手をつないでいた・・・。
彼の薬指には おそろいの指輪が 光っていた。
今日は指にしてるの?
そうだよ…僕には彼女がいるって知らせておかないとね。
彼はいたずらっぽく踊って笑って見せた。
ねえ…おめでとうを いいに来てくれたの?
え・・・ちがうよ。
じゃあ…なんか用事?
急に・・・君に会いたくなったんだ・・・。
韓国にひとりでいると・・・さびしくて。
それじゃ・・・だめかな・・・。
そう言って彼は私にキスをした。
ずっと私もこの人と一緒にいたいな・・・。
国籍とか環境とか…今は考えずにいよう。
私達ふたりは 地球で恋愛中・・・。
どんなに遠くても 逢えなくても
私達は いつまでもつながっていよう・・・。
彼の腕の中で…そう思った。

