お向かいさんにいただいた
小菊の挿し芽をして1年
可愛い花を咲かせてくれた
その生命力 すばらしい
1番先に
仏さまに供えた
我が家の庭の花を
1番好むと聞いたことがある
そのうち
記憶の扉が開いた
子どもの頃
あれは小学校の何年生の頃だろうか
家計の足しにと
祖母と母が
畑で小菊を育て
売りに出かけていた
夕方だろう
暗くて寒い台所に
小菊の きりりとした微かな香りがした
何本かをくるりと新聞紙に包む
2人の姿が浮かんだ
歩いて少し賑やか町に
また 電車に乗って少し大きな街に
小菊を売りに行く2人
私は
そのおかげで
すくすく育つことができた
小菊の香りが
どうしてこんなに懐かしいか
今年
あらためて知った