学校の寮を追い出されてから、就職までの時間を有効に使おうと、

あっちにこっちにとフラフラと海外に行ったり国内旅行をしたり…

そんなお気楽な生活にも、とうとうピリオドを打つ時が来ました。

朝から荷物をまとめ、部屋を片付け…と、身の回りの整理を一生懸命に。

旅立ちに向けて、自分の机周りの整理を始めました。

そして、昨日の昼食は、Kが好きなごはん。

お昼なのに、Kの好きな焼き魚、卵焼き（海苔入り）、ニンジンの豚肉巻き、豚汁。

その奥にあるのはサツマイモを甘く煮たデザート。

妻がKの好みに合わせて昼からしっかりと料理。

Kの胃袋にしっかりとおふくろの味を詰め込みました。

そして、小さなスイフトに満載の荷物たち。

大きなものは寮から直接引っ越し業者により現地へ送ってもらったみたい。

でも、その日に着るものやＰＣ類の電子機器は自分で運びたい。

自宅から持っていくものもあるので…　と、荷物は思った以上にたくさん。

後ろの席もスペアタイヤなんかもあっていっぱいだ。

あとは、フェリーの出航時刻に合わせて家を出る。

夕食は軽くファミレスで食べて終わり。ゆっくりもできないので…

出航時刻の3時間も前に受付が必要…　飛行機より時間ロスが大きい。

搭乗口前に車を並べて、その時を待ちます。中央にうずもれる小さなスイフト。

昨年の秋に、北海道へは一緒に遊びに行ったから、

フェリーの搭乗手続きはなんとかできたかな。

搭乗時刻を知らせるアナウンスが、ターミナルに響きました。

最後にKをギュッと抱きしめると、なんだかウルッと。

Kはスイフトが並ぶ搭乗口へと向かい、スイフトと共にフェリーの中に消えていきました。

それから出港まで２時間と１５分。　これが長い。

トレーラでコンテナを積み込む作業が続くのです。

上の写真にある乗用車の脇のたくさんのコンテナたち。

いよいよ出港です。

船はゆっくりとバックし、桟橋から離れていきます。

そして、帆先を太平洋沖合へと向けると、ゆっくりと離れていきました。

父も母も、船に向かって、

「　Kく～ん！　がんばってね～　」　「　　がんばれよ～！　」

聞こえてるとは思わないけど、叫んじゃいましたよ。（むかしの青春ドラマみたい）

今までの人生でいろいろと旅先で別れを経験しましたけど、船が一番苦手ですね。

電車や車はすぐに見えなくなるし、飛行機だって１分もしないで視界から消える。

でも、船だけは何分かけてもずっと見えるんですよね。

そのあとの自宅への帰り道は海岸通りを通って帰りました。

沖を行くフェリーって、ずっと見えるんですよ。

「　ああ、Kが乗ってるんだなぁ～　」　って思いながら。

乗船が23時半で、出航時刻が２時だから、もう眠ってるかもしれないけど、

見送る親としては、ずっと声をかけていたいですよ。　頑張れよ！って。

そして、先ほどフェリーは北海道苫小牧に到着し、

ホテルに着いたと連絡がありました。

現地の天気は雪。　いきなり北海道の洗礼を受けたようです。

明日は、札幌入り。

いよいよ、新しい道が始まります。

Kの旅立ち