前回の続きです。
駅ビルでの関西弁の店長さんの話を、お豆バージョンでお送りします。
とある日の事にございます。
その日も。
「アホちゃうか」
店長さんの無駄に大きな声がお豆に向けられていました。
辺りの従業員達が《またか》と言う様な哀れみの眼差しでお豆を見ていました。
何が起きたと言う程の事も無いのです。
お豆は、まだ日が浅く仕事の要領を得ていませんでした。
「これ、どうするんですか」の答えが。
この「アホちゃうか」から始まるのです。
お豆は関西弁を話す人と仕事をするのは初めてでした。
まして『アホちゃうか』と面と向かって言われた事などありません。
バカにされているとしか思えません。
我慢も限界になってしまいました。
「私は店長の様に要領良く動けてないかも知れませんが、努力はしています。アホ、アホ言うのは止めてもらえませんか」
お豆は涙目で店長さんに訴えました。
と。
「ちゃうで」
「アホ、言うて無いで」
「乗り悪いな。自分」
「大阪じゃ、皆言うてるで」
店長さんが何だかうろたえ気味に言っていました。
ちょっと以外でした。
この後。
『アホちゃうか』は少し減りましたが、止める事はありませんでした。
後日談として。
辞めてから知ったのですが。
この店長さん。
お豆の事を高評価してくれていた様なのです。
知るのが少し遅そ過ぎました。
やはり、お豆と店長さんは噛み合わなかった様です。
トホホ。