6/14(日) 11:30配信  From YAHOO! JAPAN NEWS

 

「中国人観光客」64%減少でも“ほぼダメージなし” 実は日本人が知らない「京都」に外国人が集まるワケ

 
 
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「台湾有事は『存立危機事態』になりうる」
 
 2025年11月の高市早苗首相による「台湾有事発言」は日本の観光業に大きな影響を与えた。この発言に中国は猛反発し、中国外務省や文化観光省は日本への渡航を控えるよう国民に呼びかけた。
 
 これにより、中国の大手観光企業はすぐに団体ツアーの募集を停止し、航空各社も日中間を結ぶ航空便の運休や減便を相次いで実施した。

 それから約7カ月が経過したが、依然として来日する中国人観光客の数は回復していない。5月20日に発表された日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計によると、4月に日本を訪れた中国人観光客は前年同月と比較して56・8%も減少している。

 こうなると心配されるのは、日本が誇る観光都市・京都への影響だ。オーバーツーリズム問題もあり、日本人の「京都離れ」が進んでいると言われて久しい。そこにきて、インバウンド消費の3分の1を占めるとされる中国人観光客が激減すれば、地域経済に与える影響は小さくないだろう。

「中国政府が訪日自粛を呼びかけてから、その影響を予測するためシミュレーションを実施しました」

 こう語るのは、京都市観光協会のDMO企画・マーケティング統括官を務める堀江卓矢さんだ。新型コロナの影響で訪日観光客が激減した2020年から22年のデータを基に、中国人観光客がどれだけ減るかをシミュレーションしたという。堀江さんが続ける。

「最初は“半減”くらいを予想していたのですが、実際の減少率はもっと高いことがわかりました。例えば今年4月の月間データでは64・3%も減少していたのです」

 予想を超える減少数だったことがわかった一方で、「データからは意外な事実も判明しました」と堀江さんは言う。

「中国人観光客の減少が京都の外国人観光客全体の増減に与えた影響を計算してみると、わずか数パーセントの減少にとどまることがわかりました。実は、もともと京都を訪れる中国人観光客はそれほど多くなかったのです。なぜ中国の皆さんは京都を訪れないのか、という点について本格的な調査を行ったことはありません。ただ、京都は東アジアにおける伝統的な“都”の一つだという歴史が観光地としての魅力につながっていますが、中国の皆さんが“観光地の日本”に求めているものは違うものかもしれません」
 
■「遺跡」だけの観光地との違い
 

 堀江さんによると、アメリカとイスラエルがイランに大規模な攻撃を仕掛けた2月28日以降のほうが、京都を訪れる外国人観光客の数に影響を与えたという。中東ルートの航空便が相次いで欠航になったからだ。

 だが現在は段階的に航空便が再開されており、影響は限定的なものに終わる見通しが高いという。結局、国際紛争など厳しい外部環境があったとしても、京都を訪れる外国人観光客の数はそこまで減らないということなのだろう。

 なぜ外国人観光客はこれほど京都に魅せられるのか。堀江さんは「約1000年以上にわたって政治と文化の中心だった街は非常に珍しい」と言う。

「世界の観光地を見ると、紀元前からの歴史を持つ街も確かに存在します。ただ、そうした街では遺跡として保存されているだけの観光地も少なくありません。一方、京都は伝統的な建物だけでなく文化や工芸なども、確かに昔とは形を変えたところもありますが、何よりも現在の生活や先端技術に適合した形で今も活用されています。いわば“新旧が調和された街”なのです。京都を訪れることで観光客が体験できる全てに1000年の歴史が裏付けされています。これを他の観光地が模倣できる可能性は低く、まさに世界でも京都でしか味わえない魅力を持っています。さらに京都市は人口が146万人という大都市であることも重要でしょう。もともと昔から国内外の人々が訪れる場所だったこともあり、宿・食・交通といった基本的なインフラが高度に集積されています。近代的で最先端の都市機能と四季折々の自然が調和した独特の景観が受け継がれており、これも世界に類例の少ない観光地だと言えます」

 外国人ばかりでなく、日本人も改めて京都の魅力を堪能しに行ってはどうだろうか。

(井荻稔)