5分で読める参院選公約【共産党編】 | あけどのBlog

5分で読める参院選公約【共産党編】

おはようございます、あけど亮太です。

参院選期日前投票の影響で川越市役所エレベーターは普段よりも混み合っております。

期日前投票は9年前の12%から23%とほぼ2倍と順調な伸び率を見せており、(全体投票に対して)公選法の改正に伴い、会場や開場時間が緩和された事を鑑みると、今後ますます多くの国民に利用されこの数字が右肩上がりとなる事が予想されます。

そうなると選挙は投票日のみならずく告示の翌日から緊張感を持つことになりますね。候補者からしてみるとよい緊張感に繋がりそうですビックリマーク


さて、本日は野党といえばここ!「日本共産党 」の選挙公約について。

ホームページを見るとトップページから参院選特設サイトとなっているのがわかります。

トップページには若者の写真が多く使われており、ターゲットを明確に絞り込んでいるのがわかります。
さらには候補者を最近流行りのトレーディングカードに見立てており、自然と目のいく作りとなっております。最近の共産党の広報戦術は一味違うなぁ


さて、肝心の選挙公約です。

参院政策ダイジェストパンフレット  から抜粋します。

表紙は志位さんのアップ。
この特徴的なポーズ、子供なら真似してしまいそうです。これも戦略?

2ページ目、まずは安倍政権打倒宣言。特徴的なのは「野党共闘」の文字でしょうか。
これまでの単独反政権スタンスを懐柔、野党共闘を掲げておりますが、傍目から見ると他の野党の政策をさりげなく自党に引き寄せたかのように映ります。上手い。


参院選において、まず二つの目標を掲げております。

一つ目は「野党と市民の共闘」
これは「市民」というよりもSEALDsのような「市民団体」を指しているのでしょう。
SEALDsをはじめ、共産党の活動によって新たな市民団体が生まれているのも事実です。
市民の声を国会に届けるという意味ではこれも一つの実績といえるでしょう。

二つ目は「共産党の躍進」
共産党は13参院選、14衆院選と着実に議席を増やしています。
その流れを断ち切らずに16参院選においても「共産党の躍進」を掲げております。(ここは野党の躍進ではないのがポイント)


さて、本題の政策です。

1、安保法制の廃止、憲法
共産党の目玉政策ですね。
共産党は安保法を「違憲」「戦争法」と定義し、早急な廃止を掲げています。
※ちなみに安保法制とは安全保障にかかわる様々な法律をまとめて安保法制(安保関連法)と言います。
包丁を使って料理する人がいれば犯罪を犯す人もいます。
その使い道がどうなるか、それを考えるのも選挙が持つ重要な意味合いです。

また、憲法については「立憲主義に基づき、憲法は権力を縛る力」という定義に基づき、改憲から国民の尊厳を守るべく護憲派を貫いています。

ちなみに昔々、トマス・ホッブズという非常にかしこい政治哲学者がおり、ホッブズは「国の凄い力」リヴァイアサンという海の怪獣に見立てました。
それに対してお香の憲法学者は憲法の立ち位置を、「凄い力を持つリヴァイアサンを縛りつけるもの」と定義づけられており、その考えは今の日本国憲法にも通ずる考えでもあります。※中二病をくすぐる説

その為、法律→国民 憲法→国 に対する制約という解釈のもと、改憲護憲を考えてみるのも今回の選挙の参考になるかもしれません。


↑リヴァイアサン

2、経済
アベノミクスにより実質賃金の落ち込みと併せ、大企業の利益増から格差が広がっていると指摘。
所得の再分配から格差の是正、平等な社会構成が施策の目的にあると考えられます。

しかし、再分配する為には必ず「徴収」という事前準備が必要です。
そこで共産党は「消費税にたよらない別の道」で財源を確保すると提案しており、それが「大企業への優遇策の見直し」から労働者の賃金を底上げし、所得の増加、税収増を示しています。

その他にも富裕層への優遇税制の廃止などからも、以下のような再分配イメージであると考えられます。





しかし、稼げど稼げど我が暮らし楽にならざり、なんて事が無いように、いかにして稼ぎ手のモチベーションを維持するのか。その点に対する施策が非常に重要なポイントです。



以下5つの政策はかなりコンパクトにまとめられています。
それだけ上二点の政策が重要課題であると考えているあらわれでしょう。

3、TPP
TPPには断固反対。材木などは公共事業へ、食糧に関しては価格安定策で自給率アップ。全体的に国が率先して国内管理をすることでしょう。

4、原発
共産党が一貫して訴えております原発ゼロ宣言。
代替エネルギーとして再生可能エネルギーを2030年までに全電力4割という数字を挙げております。
しかし、エネルギー問題はありとあらゆる利権が絡んでいるだけに、再生エネルギーを短期でくいこませるには相当な力技が必要でしょう、、、

5、沖縄の基地
沖縄では確実に共産党支持が伸びています。
新基地建設の話題から日米関係が生活に密着している事も一つの原因でしょう。
その点を考慮してから公約でも「普天間基地の無条件撤去」「日米地位協定の抜本改正」を宣言しています。
基地を撤去するならば日本も独自に防衛力を持たなくてはいけません。性善説に基づいても現実はそう甘くありません。
更には米軍基地撤去と切っても切り離せることができない「安保関連法」について、どのような見解を見せるのか、パッケージで示す必要があります。

6、女性、人権
男女の平等から議員の男女同数を目指す。
他の政党でも掲げていましたが、これは有権者が投票をする上で性別に縛られてしまうという意味では民主主義そのものを否定してしまう制度ですので、すこし慎重になる必要がありますね。

民意の削減に繋がるとして議員定数削減に反対。国も地方も働く議員ならば人数がいればそれだけよい仕事ができます。後はどうすれば良い議員が選べるか、みんなも選挙に行きましょう!

教育費負担の軽減。他党のような無償化ではなく、軽減であるところがポイントでしょうか。
少人数学級の実現から教職員の多忙化・非正規化の解決とあります。やはり労働者目線が強く出ているのが共産党公約の特徴ですね。

7、防災、復興
復興支援金の増額。これは他党でもありましたね。
熊本地震では耐震補強済みの建物も立ち入り禁止となるケースがありました。その教訓から基準値の見直しを掲げております。迅速!

【まとめ】
共産党の公約を総括してみると、【労働者】【護憲】【平等】というキーワードが当てはまります。

高所得者から低所得者への再分配ですので、生活困窮者にはありがたい政策ですが、がっつり稼いでいる人には稼いだだけ徴収されてしまうので喜ばしくない政策です。また、労働者に手厚い政策は働き手は良いが経営者には大きな負担が想定されます。
ある意味どの政党よりもスタンスが明確であり、有権者としてYESかNOが選択しやすい政治理念が今の支持率の背景にあるのかもしれません。これは政党として50年以上の長い歴史から生み出された手法なのだろうか?


そして党の委員長(代表)である志位和夫さんについて。

衆議院当選回数8回のベテラン国会議員。

父親の影響で幼少の頃から市民運動に参加していた志位氏、学生時代には率先して運動に身を投じていたそうです。
言うなれば生まれながらの共産党エリートだったのかもしれません。

音楽を生業にしたかったという意外(?)な一面もあり、SEALDsとのコラボは必然だったのでは?
音楽、特にロックやヒップホップは反骨精神、反権力を訴える曲が多くあります。
私は政治と音楽は相性がいいものと思いますし、共産党の今後のPR作戦の中に音楽を絡めた何かをやってくれることを密かに期待しています。